一口にキリスト教といっても、さまざまなタイプがあります。カトリックは、ローマ教皇をトップに戴いた強固な組織があり、どのような活動をするにも、組織的に様々な方面から検討します。カトリックの目的に合致しているか? 一般の常識に反しないか? 現実的なのか? 従ってカトリックのすることは一貫していて安定感があります。英国国教会や西欧のプロテスタントの宗派もそれなりの組織があり、行動も安定感があります。
ところが、アメリカのプロテスタントは大覚醒運動によってプロの牧師の存在が軽視され、一般信者の心をつかんだ素人の説教師が大きな影響力を持つようになりました。そのために一般信者の考え方に、教会が従うようになっています。
アメリカは西欧と比べてキリスト教の影響力がはるかに強いので、一般信者の感情的な好き嫌いによって国家が動くという事態になっています。もちろんどこの国でも、国民の感情によって国の行動が変わりますが、アメリカの場合は特にその傾向が激しいです。
アメリカで起きているキリスト教シオニズムの動きを見ていると、このことを痛感します。パレスチナの領有を巡るイスラエルと周辺のイスラム教国との間の争いは、他国どうしの問題であり、アメリカの国益には関係ありません。
ところがアメリカはイスラエルに一方的に肩入れして、中東全体に紛争を起こしています。フセインのイラクを潰したために数十万人の死者が出て、イラクはガタガタになっています。また「アラブの春」を起こした結果、多くの国が不安定になり、シリアなどで大量の難民が発生しています。中東諸国にとって、アメリカは本当に「はた迷惑」な国です。
同じことがベトナム戦争にも言えます。ベトナムはもともとフランスの植民地で、フランス相手の独立運動が起きました。フランスがベトナムを持て余したので、それまで何の関係もなかったアメリカが、フランスのやっていた戦争を引き継いだのです。
大東亜戦争も同じです。アメリカの宣教師が支那に大量に入り込んで活動していましたが(約8000人)、彼らは支那人に同情して好きになり、その反動で日本人を嫌うようになりました。日本が嫌いだという感情を宣教師たちがアメリカに広めたため、日本人を人種差別するようになり、これが大東亜戦争に結びつきました。大東亜戦争については、また別の機会に詳しく書こうと思います。
以下はひと続きのシリーズです。
1月12日 戦後になって、アメリカはユダヤをえこひいきするようになった
1月13日 戦後、アメリカでユダヤ系の政治勢力が大幅に増大した
1月14日 アメリカのユダヤ人は、ロビー活動と政治資金で政治家を操っている
1月15日 アメリカ最大の政治勢力であるキリスト教福音派が、ユダヤ系と同盟した
1月16日 ユダヤ教とキリスト教の違いは、イエスを救済者と認めるか否か
1月18日 神様は、自分の力を見せつけるためにヨブを痛めつけた
1月19日 ヤハウェの神は、自分が全能であることを全世界に広めようとしている
1月21日 19世紀に多くのユダヤ人がロシアから逃げ出してアメリカに渡った
1月23日 ユダヤ人の社会主義者が、百年前からアメリカにたくさんいた
1月24日 ユダヤ人学者がアメリカの科学技術のレベルを上げた
1月27日 ユダヤ人は、最初は現地の人に歓迎されるがやがて嫌われる
1月28日 ポーランド政府は、ユダヤ系の自国民を見殺しにした
1月29日 第二次大戦後に、ポーランド人はユダヤ人を大虐殺した
2月2日 天変地異や核戦争でものすごい数の人類が死ぬ、と聖書は予言している
2月3日 アメリカは、聖書の予言を実現させるためにイスラエルを支援している
2月5日 イギリス国王は中途半端な宗派を強制し、プロテスタントを弾圧した
2月6日 メイフラワー号でやってきたピューリタンは、無許可で移住した
2月7日 初期には、本気で信仰を守るために移住してきた者も多かった
2月8日 大覚醒運動が起きたために、今でもアメリカではキリスト教が強い
2月9日 18世紀のアメリカでは、ちゃんとした信仰を持っていなければ劣等感にさいなまれた
2月10日 植民地時代のアメリカでは、社会的に活躍するにもちゃんとした信仰を持つ必要があった
2月11日 アメリカの州立教会の牧師は、難しい説教を長時間した
2月14日 巨大な教会(メガ・チャーチ)が続々と誕生している
2月16日 アメリカのキリスト教は、自己啓発産業になりつつある
2月25日 アメリカはプロテスタントの信仰によって老化が進んでいる