イギリス人がアメリカに入植するときは、移住者は国王から特許状を取得する必要がありました。そこには、その植民地の地理的位置、議会や行政組織のような統治機構、国王に収めるべき年貢の額などが記載されていました。
そして移住者は全てイギリス国籍を持ち、領内ではイギリス法が適用される旨も記されていました。アメリカの植民地というのは、我々が抱いている「植民地」というイメージとは違い、むしろ海外にあるイギリスの地方自治体だと理解すべきです。
メイフラワー号に乗ったピューリタンも国王から特許状を交付されていたのですが、植民地の場所を今のニューヨークの近くに指定されていました。ところが航海中に嵐に遭って、はるかに北西のボストン近くの海岸に漂着してしまいました。
冬が近づき船は破損し、その船のチャーター期間も残り少なくなっていたので、本来の目的地にたどり着くことは不可能でした。そこで移住者たちは、その地に植民地を作ることにしました。
指定された場所とは異なるので、国王から交付された特許状は無効です。そのため植民地の行政組織や細かい規定が何もない状態になってしまいました。そこで移住者たちは船の中で、新しく作る植民地の組織や考え方などいわば「憲法」を採択しました。
そこに住んでいる住民が集まり契約によって国家を作るという「社会契約」理論に基づいて自治体を作ったわけです。住民が契約で国家を作るという発想がアメリカ人の心情に合致したので、この「メイフラワー方式」がアメリカ人の理想になりました。
最初の冬の間に移住者の半数近くが亡くなりました。餓えのために彼らは近くにいたインディアンの貯蔵食料を盗んでいます。原住民の物を奪うというアメリカ人が良くやる行為を、メイフラワーの移住者がすでに始めています。
彼らは移住して15年目の1636年にハーバード神学校を創設しましたが、これが後にハーバード大学になりました。満足に生活物資も無い状態でプロテスタントの神学校を作ったわけで、彼らが堅い信仰を持っていたことがわかります。
以下はひと続きのシリーズです。
1月12日 戦後になって、アメリカはユダヤをえこひいきするようになった
1月13日 戦後、アメリカでユダヤ系の政治勢力が大幅に増大した
1月14日 アメリカのユダヤ人は、ロビー活動と政治資金で政治家を操っている
1月15日 アメリカ最大の政治勢力であるキリスト教福音派が、ユダヤ系と同盟した
1月16日 ユダヤ教とキリスト教の違いは、イエスを救済者と認めるか否か
1月18日 神様は、自分の力を見せつけるためにヨブを痛めつけた
1月19日 ヤハウェの神は、自分が全能であることを全世界に広めようとしている
1月21日 19世紀に多くのユダヤ人がロシアから逃げ出してアメリカに渡った
1月23日 ユダヤ人の社会主義者が、百年前からアメリカにたくさんいた
1月24日 ユダヤ人学者がアメリカの科学技術のレベルを上げた
1月27日 ユダヤ人は、最初は現地の人に歓迎されるがやがて嫌われる
1月28日 ポーランド政府は、ユダヤ系の自国民を見殺しにした
1月29日 第二次大戦後に、ポーランド人はユダヤ人を大虐殺した
2月2日 天変地異や核戦争でものすごい数の人類が死ぬ、と聖書は予言している
2月3日 アメリカは、聖書の予言を実現させるためにイスラエルを支援している
2月5日 イギリス国王は中途半端な宗派を強制し、プロテスタントを弾圧した
2月6日 メイフラワー号でやってきたピューリタンは、無許可で移住した
2月7日 初期には、本気で信仰を守るために移住してきた者も多かった
2月8日 大覚醒運動が起きたために、今でもアメリカではキリスト教が強い
2月9日 18世紀のアメリカでは、ちゃんとした信仰を持っていなければ劣等感にさいなまれた
2月10日 植民地時代のアメリカでは、社会的に活躍するにもちゃんとした信仰を持つ必要があった
2月11日 アメリカの州立教会の牧師は、難しい説教を長時間した
2月14日 巨大な教会(メガ・チャーチ)が続々と誕生している
2月16日 アメリカのキリスト教は、自己啓発産業になりつつある
2月25日 アメリカはプロテスタントの信仰によって老化が進んでいる