ユダヤ教とキリスト教の違いは、イエスを救済者と認めるか否か

なぜアメリカのキリスト教福音派(聖書に書かれていることを全て真実だと信じ込んでいる人たち)とユダヤ系アメリカ人が同盟を結んだかということを、これから説明します。結論から言うと、ユダヤ人が第二次世界大戦後の1948年にイスラエルという国家を建設したからです。この説明だけではどういうことか分からないと思います。

ユダヤ教とキリスト教は、同じ神様を信じています。約5000年前にユダヤ人という民族が発生してからイエスが出てくるまでの3000年間は、神様とユダヤ人とは直接関係を結んでいました。モーゼなどの預言者はいましたが、彼らは神の言葉をユダヤ人に伝えるメッセンジャーというだけの存在でした。この神様とユダヤ人との関係を説明しているのが旧約聖書です。

ところが今から2000年ほど前に神様は、従来のユダヤ人との関係では不十分とだ考え、イエス・キリストを地上に遣わし、その関係を修正しました。すなわち神とユダヤ人の間にイエスという仲介者を立てて、神とユダヤ人の関係を間接的なものにしたのです。さらに対象をユダヤ人だけでなく、さまざまな民族にまで広げました。

イエスは人間たちの言い分を聞き、神様が納得しやすいように話を整理して伝えるのが役目です。このように修正された神と人間との関係を説明しているのが新約聖書です。旧約や新約は、古い契約と新しい契約という意味です。キリスト教やユダヤ教は、神と人間との関係を契約関係だととらえています。

イエスは、人間を効率的に救済するために神から地上に遣わされた救い主(メシア)だ、というのがキリスト教の立場です。しかしユダヤ人はイエスが救い主であることを認めず、インチキ宗教の教祖だと判断しました。だからユダヤ人はイエスをはりつけにして殺したのです。

メシアという救い主が現れてユダヤ人を苦境から救い出してくれるという信仰が、3000年ぐらい前からユダヤ人のあいだに広まりました。メシアという言葉のギリシャ語訳がキリストです。つまりキリスト教は、イエスをメシアだと教えている宗教です。

旧約聖書にも、救い主が必ず現れるという予言が記されています。イエスが救い主(キリスト、メシア)だということを信じたユダヤ人が最初のキリスト教徒になりました。しかしそれを信じないユダヤ人は、いまでも本当の救い主が現れるのを待ち続けています。

以下はひと続きのシリーズです。

1月12日 戦後になって、アメリカはユダヤをえこひいきするようになった

1月13日 戦後、アメリカでユダヤ系の政治勢力が大幅に増大した

1月14日 アメリカのユダヤ人は、ロビー活動と政治資金で政治家を操っている

1月15日 アメリカ最大の政治勢力であるキリスト教福音派が、ユダヤ系と同盟した

1月16日 ユダヤ教とキリスト教の違いは、イエスを救済者と認めるか否か

1月17日 ヤハウェの神は、自分のやりたいようにやる

1月18日 神様は、自分の力を見せつけるためにヨブを痛めつけた

1月19日 ヤハウェの神は、自分が全能であることを全世界に広めようとしている

1月20日 ユダヤ人を優遇すると国が栄える

1月21日 19世紀に多くのユダヤ人がロシアから逃げ出してアメリカに渡った

1月22日 欧米のユダヤ人が、ロシア帝国を潰した

1月23日 ユダヤ人の社会主義者が、百年前からアメリカにたくさんいた

1月24日 ユダヤ人学者がアメリカの科学技術のレベルを上げた

1月25日 ユダヤ人はなぜ嫌われるのか

1月26日 第二次大戦中に、欧米はみんなでユダヤ人を殺した

1月27日 ユダヤ人は、最初は現地の人に歓迎されるがやがて嫌われる

1月28日 ポーランド政府は、ユダヤ系の自国民を見殺しにした

1月29日 第二次大戦後に、ポーランド人はユダヤ人を大虐殺した

1月30日 ユダヤ人はなぜ優秀なのか

1月31日 聖書は予言書である

2月1日 イスラエル国家が再建されるという予言が、実現した

2月2日 天変地異や核戦争でものすごい数の人類が死ぬ、と聖書は予言している

2月3日 アメリカは、聖書の予言を実現させるためにイスラエルを支援している

2月4日 アメリカは西欧より、キリスト教の力が強い

2月5日 イギリス国王は中途半端な宗派を強制し、プロテスタントを弾圧した

2月6日 メイフラワー号でやってきたピューリタンは、無許可で移住した

2月7日 初期には、本気で信仰を守るために移住してきた者も多かった

2月8日 大覚醒運動が起きたために、今でもアメリカではキリスト教が強い

2月9日 18世紀のアメリカでは、ちゃんとした信仰を持っていなければ劣等感にさいなまれた

2月10日 植民地時代のアメリカでは、社会的に活躍するにもちゃんとした信仰を持つ必要があった

2月11日 アメリカの州立教会の牧師は、難しい説教を長時間した

2月12日 大覚醒運動の担い手は、素人の巡回説教師だった

2月13日 マスメディアの発達も大覚醒運動の要因だった

2月14日 巨大な教会(メガ・チャーチ)が続々と誕生している

2月15日 福音派とはへそ曲がりのことである

2月16日 アメリカのキリスト教は、自己啓発産業になりつつある

2月17日 アメリカ映画がつまらなくなった

2月18日 メガ・チャーチに通う信者がどんどん増えている

2月19日 プロテスタントは、もともと福音派のはず

2月20日 福音派はイスラエルを支援している

2月21日 キリスト教シオニズムは、あいまいな運動

2月22日 アメリカは、はた迷惑な国

2月23日 アメリカ人は外国をキリスト教の視点から見る

2月24日 ローマとアメリカは、宗教に対する態度が違う

2月25日 アメリカはプロテスタントの信仰によって老化が進んでいる

2月26日 誠の考え方を活用して、日本は自立しよう

2月27日 アメリカは、資金と軍事技術を援助してイスラエルを支えている

2月28日 ユダヤ人が、ユダヤ人らしくなくなる?

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