福音派はイスラエルを支援している

第四次大覚醒運動の進展に伴い、福音派(聖書に書かれていることはすべて真実だと信じている人たち)の数がアメリカで急激に増大していて、信者数はおおよそ7000万人だと言われています。

福音派の人的動員力と資金力に目をつけたのがロナルド・レーガン大統領(1911~2004年)でした。彼はもともと俳優でしたが、俳優組合の幹部になるなど若いときから政治的でした。カリフォルニア州知事として実績を挙げ、1980年に共和党の大統領候補者となり、選挙に勝って8年間アメリカの大統領をつとめました。

彼が大統領に当選できたのは、福音派の全面的な支援があったからでした。これによって福音派は、自分たちの持っている力の大きさを自覚しました。これ以後、福音派は政治に積極的に関与するようになりました。福音派の支援を得て当選した大統領も、福音派の考え方に従った政治を行うようになりました。

この福音派がイスラエルを強力に支援しているのです。アメリカ国内のユダヤ人も政治的にかなりの力を持っていますが、それよりも福音派のほうがはるかに政治的に強力です。アメリカの大統領は、福音派とユダヤ人の勢力に押されて、どんどんイスラエル寄りになっています。

トランプ大統領も選挙の時は福音派とユダヤ系の支援を受けました。だからトランプ大統領は当選早々にイスラエルを訪問し、「嘆きの壁」で祈りを捧げました。また強い反対を押し切って、アメリカの大使館をテルアビブからエルサレムに移動させる政策を実行に移しています。

聖書には、故国を追われて放浪しているユダヤ人が国家を再建し、それを潰しに来る大軍を撃退するという予言が書かれています。さらに世界は大地震と隕石の衝突という大惨事に見舞われ核戦争まで起こるが、その試練を経た後に救い主が現れる、ということまで予言しています。

1948年にイスラエル国が出来た時、福音派は「やっぱり聖書に書かれている予言は本当だったのだ。それならばその後の予言をも成就させようという神の意思に、我々も従わなければならない。イスラエルは攻め込んできた大軍を撃破すると予言されているから、我々はイスラエルを支援して、予言の実現に努めなければならない」と考えたわけです。

以下はひと続きのシリーズです。

1月12日 戦後になって、アメリカはユダヤをえこひいきするようになった

1月13日 戦後、アメリカでユダヤ系の政治勢力が大幅に増大した

1月14日 アメリカのユダヤ人は、ロビー活動と政治資金で政治家を操っている

1月15日 アメリカ最大の政治勢力であるキリスト教福音派が、ユダヤ系と同盟した

1月16日 ユダヤ教とキリスト教の違いは、イエスを救済者と認めるか否か

1月17日 ヤハウェの神は、自分のやりたいようにやる

1月18日 神様は、自分の力を見せつけるためにヨブを痛めつけた

1月19日 ヤハウェの神は、自分が全能であることを全世界に広めようとしている

1月20日 ユダヤ人を優遇すると国が栄える

1月21日 19世紀に多くのユダヤ人がロシアから逃げ出してアメリカに渡った

1月22日 欧米のユダヤ人が、ロシア帝国を潰した

1月23日 ユダヤ人の社会主義者が、百年前からアメリカにたくさんいた

1月24日 ユダヤ人学者がアメリカの科学技術のレベルを上げた

1月25日 ユダヤ人はなぜ嫌われるのか

1月26日 第二次大戦中に、欧米はみんなでユダヤ人を殺した

1月27日 ユダヤ人は、最初は現地の人に歓迎されるがやがて嫌われる

1月28日 ポーランド政府は、ユダヤ系の自国民を見殺しにした

1月29日 第二次大戦後に、ポーランド人はユダヤ人を大虐殺した

1月30日 ユダヤ人はなぜ優秀なのか

1月31日 聖書は予言書である

2月1日 イスラエル国家が再建されるという予言が、実現した

2月2日 天変地異や核戦争でものすごい数の人類が死ぬ、と聖書は予言している

2月3日 アメリカは、聖書の予言を実現させるためにイスラエルを支援している

2月4日 アメリカは西欧より、キリスト教の力が強い

2月5日 イギリス国王は中途半端な宗派を強制し、プロテスタントを弾圧した

2月6日 メイフラワー号でやってきたピューリタンは、無許可で移住した

2月7日 初期には、本気で信仰を守るために移住してきた者も多かった

2月8日 大覚醒運動が起きたために、今でもアメリカではキリスト教が強い

2月9日 18世紀のアメリカでは、ちゃんとした信仰を持っていなければ劣等感にさいなまれた

2月10日 植民地時代のアメリカでは、社会的に活躍するにもちゃんとした信仰を持つ必要があった

2月11日 アメリカの州立教会の牧師は、難しい説教を長時間した

2月12日 大覚醒運動の担い手は、素人の巡回説教師だった

2月13日 マスメディアの発達も大覚醒運動の要因だった

2月14日 巨大な教会(メガ・チャーチ)が続々と誕生している

2月15日 福音派とはへそ曲がりのことである

2月16日 アメリカのキリスト教は、自己啓発産業になりつつある

2月17日 アメリカ映画がつまらなくなった

2月18日 メガ・チャーチに通う信者がどんどん増えている

2月19日 プロテスタントは、もともと福音派のはず

2月20日 福音派はイスラエルを支援している

2月21日 キリスト教シオニズムは、あいまいな運動

2月22日 アメリカは、はた迷惑な国

2月23日 アメリカ人は外国をキリスト教の視点から見る

2月24日 ローマとアメリカは、宗教に対する態度が違う

2月25日 アメリカはプロテスタントの信仰によって老化が進んでいる

2月26日 誠の考え方を活用して、日本は自立しよう

2月27日 アメリカは、資金と軍事技術を援助してイスラエルを支えている

2月28日 ユダヤ人が、ユダヤ人らしくなくなる?

コメント

  1. より:

    アメリカがイスラエルを支持する理由は他にも、聖書に書いてあるイスラエルと移民の国のアメリカの境遇が似てるからと聞いたことがあります。

    • 市川隆久 より:

      仰る通りです。3000年ぐらい前、ユダヤ人はエジプトで奴隷になっていました。それをモーゼがエジプト王と交渉して彼らを故郷のイスラエルに連れて帰りました。モーゼとユダヤ人たちは、荒野を超え海(紅海)を渡り、先住民を追い払って、苦労して約束の地に帰りました。モーゼが神に祈って杖を掲げると紅海が割れて海の中に道ができたという有名な話は、この時のことです。
      ピューリタンたちも西欧で迫害されたために、大西洋を渡ってアメリカにたどり着き荒野を超えてインディアンを追い払い、神が約束してくれた土地にたどり着きました。だから、アメリカ人は自分たちとユダヤ人の経験を重ね合わせています。なお、このことはこのブログでもどこかで書いた記憶があります。