昨日、レーニンもユダヤ人だったと書きました。正確に言うと母方がユダヤ人の家系で、父親はカムルイク人という遊牧民の家系です。「父親がユダヤ系でないのであれば、レーニンはユダヤ人ではない」と日本人なら考えるかもしれません。
ところがユダヤ人は、母親がユダヤ人であればユダヤ人だと考えます。もともとはユダヤ人も父親の家系を重視していました。ところが19世紀になってユダヤ人は母親の家系を重視するように変わりました。
ロシア人はユダヤ人を殺したり財産を奪ったり、散々にいじめました。ロシアの若者たちはユダヤ人の家に押し入り、娘をさらっていきました。しばらくして娘のお腹がふくらんでくると、彼女を家に帰しました。娘は実家で子供を産んだわけです。
父親は誰か分からないけれども、母親はユダヤ人です。従来のユダヤの伝統では生まれた子供はユダヤ人ではありませんが、放っておくわけにもいきません。そこで19世紀にユダヤ人たちは「母親がユダヤ人であれば子供もユダヤ人だ」という原則を作りました。
今のイスラエルでは、「ユダヤ人とは、母親がユダヤ人である者、及びユダヤ教に改宗した者」となっています。従ってレーニンも、自分のことをユダヤ人だと考えていたはずです。
19世紀後半になってロシア帝国の社会が騒がしくなってきたため、皇帝とその政府は国民の眼を現実からそらすために、ユダヤ人を一層激しく弾圧しました。そこで多くのユダヤ人はアメリカに逃げ出しました。
アメリカは移民を歓迎していたので、ユダヤ人の移民を拒否しませんでした。今アメリカには約600万人のユダヤ人がいますが、その多くはこの時にロシアから逃げてきた者たちの子孫です。他にドイツ圏諸国などからきたユダヤ人の子孫もいます。
彼らの多くはドイツ系の苗字を名乗っていますが(例えば、スピルバーグとかキッシンジャーとか)、それはヨーロッパのユダヤ人社会ではイディッシュ語というドイツ語の方言が普及していたからです。
彼らの中に金融業で財産を築いた者が大勢いて、いまでもウォール街を牛耳っています。例えば、ゴールドマン・サックス、ソロモン&ブラザースなどはユダヤ系の企業です。
以下はひと続きのシリーズです。
1月12日 戦後になって、アメリカはユダヤをえこひいきするようになった
1月13日 戦後、アメリカでユダヤ系の政治勢力が大幅に増大した
1月14日 アメリカのユダヤ人は、ロビー活動と政治資金で政治家を操っている
1月15日 アメリカ最大の政治勢力であるキリスト教福音派が、ユダヤ系と同盟した
1月16日 ユダヤ教とキリスト教の違いは、イエスを救済者と認めるか否か
1月18日 神様は、自分の力を見せつけるためにヨブを痛めつけた
1月19日 ヤハウェの神は、自分が全能であることを全世界に広めようとしている
1月21日 19世紀に多くのユダヤ人がロシアから逃げ出してアメリカに渡った
1月23日 ユダヤ人の社会主義者が、百年前からアメリカにたくさんいた
1月24日 ユダヤ人学者がアメリカの科学技術のレベルを上げた
1月27日 ユダヤ人は、最初は現地の人に歓迎されるがやがて嫌われる
1月28日 ポーランド政府は、ユダヤ系の自国民を見殺しにした
1月29日 第二次大戦後に、ポーランド人はユダヤ人を大虐殺した
2月2日 天変地異や核戦争でものすごい数の人類が死ぬ、と聖書は予言している
2月3日 アメリカは、聖書の予言を実現させるためにイスラエルを支援している
2月5日 イギリス国王は中途半端な宗派を強制し、プロテスタントを弾圧した
2月6日 メイフラワー号でやってきたピューリタンは、無許可で移住した
2月7日 初期には、本気で信仰を守るために移住してきた者も多かった
2月8日 大覚醒運動が起きたために、今でもアメリカではキリスト教が強い
2月9日 18世紀のアメリカでは、ちゃんとした信仰を持っていなければ劣等感にさいなまれた
2月10日 植民地時代のアメリカでは、社会的に活躍するにもちゃんとした信仰を持つ必要があった
2月11日 アメリカの州立教会の牧師は、難しい説教を長時間した
2月14日 巨大な教会(メガ・チャーチ)が続々と誕生している
2月16日 アメリカのキリスト教は、自己啓発産業になりつつある
2月25日 アメリカはプロテスタントの信仰によって老化が進んでいる