マスメディアの発達も大覚醒運動の要因だった

第一次大覚醒運動が起きた1730年代のアメリカは、マスメディアの成長期でした。印刷所が増えて、日刊誌や週刊誌がぞくぞくと発行されました。マサチューセッツ州の本屋の数は、40年間で4倍に増えたそうです。

これらの雑誌の中心的な話題が、「どこそこの町で、野外の説教集会が開かれて、こんな話があった」「あの町で開かれた巡回説教会で、何人が涙を流して悔い改めた」などという宗教的な話題でした。

ベンジャミン・フランクリンも有名な巡回説教師であるホイットフィールドと組んで、彼の説教や自伝を本にして売り出し、大儲けをしています。一方のホイットフィールドは、自分の説教予定を新聞や雑誌で宣伝して人集めをしました。

1730年代に大覚醒運動のブームが起きたのは、当時のアメリカ人が「悔い改めをして、立派なキリスト教徒になりたい」「信仰が認められて、教会の正式なメンバーになりたい」という内心の動機を持っていたからです。また、当時のアメリカでマスメディアが急激に発展していたというのも、大きな理由になっています。

大覚醒運動は何度か起きていますが、その時期はちょうどアメリカ人が悔い改めを求めていた時でした。またマスメディアの大発展期とも重なっています。

1960年代にも大覚醒運動が起きました。当時のアメリカはベトナム戦争の泥沼に入り込んで、国民はうんざりしていました。反体制運動が起こり、ヒッピーが現れて性的に乱れ、ドラッグが大流行していました。

これらの動きに対する反動としてキリスト教的な価値観が強く求められてもいました。大覚醒運動を起こすだけの内的要因が整っていたのです。そしてテレビの普及という外的要因も備わっていました。

今のアメリカは、行き過ぎたグローバル化の反動としてアメリカの伝統への回帰・アメリカ優先の考え方が強まっています。またインターネットが爆発的に発展しています。大覚醒運動の内的・外的な要因が整っているわけです。後から振り返れば、「2010代は第五次大覚醒の時代だった」ということになっているかもしれません。

以下はひと続きのシリーズです。

1月12日 戦後になって、アメリカはユダヤをえこひいきするようになった

1月13日 戦後、アメリカでユダヤ系の政治勢力が大幅に増大した

1月14日 アメリカのユダヤ人は、ロビー活動と政治資金で政治家を操っている

1月15日 アメリカ最大の政治勢力であるキリスト教福音派が、ユダヤ系と同盟した

1月16日 ユダヤ教とキリスト教の違いは、イエスを救済者と認めるか否か

1月17日 ヤハウェの神は、自分のやりたいようにやる

1月18日 神様は、自分の力を見せつけるためにヨブを痛めつけた

1月19日 ヤハウェの神は、自分が全能であることを全世界に広めようとしている

1月20日 ユダヤ人を優遇すると国が栄える

1月21日 19世紀に多くのユダヤ人がロシアから逃げ出してアメリカに渡った

1月22日 欧米のユダヤ人が、ロシア帝国を潰した

1月23日 ユダヤ人の社会主義者が、百年前からアメリカにたくさんいた

1月24日 ユダヤ人学者がアメリカの科学技術のレベルを上げた

1月25日 ユダヤ人はなぜ嫌われるのか

1月26日 第二次大戦中に、欧米はみんなでユダヤ人を殺した

1月27日 ユダヤ人は、最初は現地の人に歓迎されるがやがて嫌われる

1月28日 ポーランド政府は、ユダヤ系の自国民を見殺しにした

1月29日 第二次大戦後に、ポーランド人はユダヤ人を大虐殺した

1月30日 ユダヤ人はなぜ優秀なのか

1月31日 聖書は予言書である

2月1日 イスラエル国家が再建されるという予言が、実現した

2月2日 天変地異や核戦争でものすごい数の人類が死ぬ、と聖書は予言している

2月3日 アメリカは、聖書の予言を実現させるためにイスラエルを支援している

2月4日 アメリカは西欧より、キリスト教の力が強い

2月5日 イギリス国王は中途半端な宗派を強制し、プロテスタントを弾圧した

2月6日 メイフラワー号でやってきたピューリタンは、無許可で移住した

2月7日 初期には、本気で信仰を守るために移住してきた者も多かった

2月8日 大覚醒運動が起きたために、今でもアメリカではキリスト教が強い

2月9日 18世紀のアメリカでは、ちゃんとした信仰を持っていなければ劣等感にさいなまれた

2月10日 植民地時代のアメリカでは、社会的に活躍するにもちゃんとした信仰を持つ必要があった

2月11日 アメリカの州立教会の牧師は、難しい説教を長時間した

2月12日 大覚醒運動の担い手は、素人の巡回説教師だった

2月13日 マスメディアの発達も大覚醒運動の要因だった

2月14日 巨大な教会(メガ・チャーチ)が続々と誕生している

2月15日 福音派とはへそ曲がりのことである

2月16日 アメリカのキリスト教は、自己啓発産業になりつつある

2月17日 アメリカ映画がつまらなくなった

2月18日 メガ・チャーチに通う信者がどんどん増えている

2月19日 プロテスタントは、もともと福音派のはず

2月20日 福音派はイスラエルを支援している

2月21日 キリスト教シオニズムは、あいまいな運動

2月22日 アメリカは、はた迷惑な国

2月23日 アメリカ人は外国をキリスト教の視点から見る

2月24日 ローマとアメリカは、宗教に対する態度が違う

2月25日 アメリカはプロテスタントの信仰によって老化が進んでいる

2月26日 誠の考え方を活用して、日本は自立しよう

2月27日 アメリカは、資金と軍事技術を援助してイスラエルを支えている

2月28日 ユダヤ人が、ユダヤ人らしくなくなる?