ユダヤ教やキリスト教の神様が何を考えているかを知るには、旧約聖書の「ヨブ記」を読むと良いです。
ヨブという神を信じている敬虔な大富豪がいました。悪魔が神に向かって、「ヨブが神様を信じているのは自分が幸せだからであって、不幸になったら神様を呪うようになる」と言いました。そこで悪魔と神様は、ヨブの信仰心がどれほど強固かを試すことにしました。
悪魔はヨブを破産させ、家族をみな殺し、ヨブ自身をひどい皮膚病にさせました。自分に落ち度がないのにこんな不幸に遭ったため、ヨブは神様を呪いましたが、最終的には「神様のすることはすべて正しい」として、自分の運命を受け入れました。神様は悪魔との賭けに勝って、ヨブを以前よりもはるかに幸せにしました。
ヨブ記は「神様のすることはすべて正しく、人間が浅知恵でその是非を判断してはならない」ということを主張しています。また、神様は人間の思惑など気にせずにやりたいことをやる、ということをも、ヨブ記は主張しています。神様は、ある人間には幸せな生涯を与え、他の人間には悲惨な運命を授けることがあります。その時に「不公平だ」と文句を言ってはいけないのです。
ヨブのケースでは、最終的にヨブは以前よりも幸せになりました。しかし神様がいつもこうだとは限らず、不幸のままに終わらせる運命を持つ人間を作ることも理論上はありえます。アメリカの白人は、「神は黒人を神様と同じ心になることができない劣った人間として作った」と考えました。
心が正しくない人間はFreedomを理解できないので、奴隷にして強制労働をさせるべきだと考えました。このようにユダヤ教やキリスト教の神様は、人間を分け隔てなく扱う仏様とは全然違うのです。
ユダヤ教やキリスト教の神様は、自分が全能であることを証明するために、弱小民族であるユダヤ人を諸民族の中から選び出して特別に可愛がりました。そして時にはホロコーストのような目に遭わせてスパルタ教育もするのです。
「神様が特定の民族をえこひいきすることなどありえない」というのが日本人の感覚でしょうが、ユダヤ教やキリスト教ではありうるのです。
以下はひと続きのシリーズです。
1月12日 戦後になって、アメリカはユダヤをえこひいきするようになった
1月13日 戦後、アメリカでユダヤ系の政治勢力が大幅に増大した
1月14日 アメリカのユダヤ人は、ロビー活動と政治資金で政治家を操っている
1月15日 アメリカ最大の政治勢力であるキリスト教福音派が、ユダヤ系と同盟した
1月16日 ユダヤ教とキリスト教の違いは、イエスを救済者と認めるか否か
1月18日 神様は、自分の力を見せつけるためにヨブを痛めつけた
1月19日 ヤハウェの神は、自分が全能であることを全世界に広めようとしている
1月21日 19世紀に多くのユダヤ人がロシアから逃げ出してアメリカに渡った
1月23日 ユダヤ人の社会主義者が、百年前からアメリカにたくさんいた
1月24日 ユダヤ人学者がアメリカの科学技術のレベルを上げた
1月27日 ユダヤ人は、最初は現地の人に歓迎されるがやがて嫌われる
1月28日 ポーランド政府は、ユダヤ系の自国民を見殺しにした
1月29日 第二次大戦後に、ポーランド人はユダヤ人を大虐殺した
2月2日 天変地異や核戦争でものすごい数の人類が死ぬ、と聖書は予言している
2月3日 アメリカは、聖書の予言を実現させるためにイスラエルを支援している
2月5日 イギリス国王は中途半端な宗派を強制し、プロテスタントを弾圧した
2月6日 メイフラワー号でやってきたピューリタンは、無許可で移住した
2月7日 初期には、本気で信仰を守るために移住してきた者も多かった
2月8日 大覚醒運動が起きたために、今でもアメリカではキリスト教が強い
2月9日 18世紀のアメリカでは、ちゃんとした信仰を持っていなければ劣等感にさいなまれた
2月10日 植民地時代のアメリカでは、社会的に活躍するにもちゃんとした信仰を持つ必要があった
2月11日 アメリカの州立教会の牧師は、難しい説教を長時間した
2月14日 巨大な教会(メガ・チャーチ)が続々と誕生している
2月16日 アメリカのキリスト教は、自己啓発産業になりつつある
2月25日 アメリカはプロテスタントの信仰によって老化が進んでいる