アメリカは西欧より、キリスト教の力が強い

アメリカの社会はキリスト教の影響を非常に強く受けていて、内政や外交・戦争もキリスト教の考え方が底にあることはすでに見たとおりです。西欧諸国と比べても、アメリカの社会の方がはるかにキリスト教の力が強いです。

日本人のほとんどは、「自分は無宗教だ」と言っていますが、これはとんでもない誤解で私に言わせれば、日本人の思考は神道や仏教に強く影響されています。しかしここでは日本のことはさておいて、なぜアメリカ人はこのようにキリスト教に強く影響されているのか、を説明したいと思います。

アメリカは、二段階の歴史的事件によって強烈なキリスト教国になりました。
第一段階　初期に熱烈なプロテスタントが移住してアメリカを作った
第二段階　18世紀前半から数回にわたって、強烈なキリスト教再生運動が起きた

1492年にコロンブスがカリブ海の島々に到達してから、多くの西欧人がアメリカにやってきました。最初の頃は、スペイン人とポルトガル人が金銀を略奪するために、中南米にやってきました。

1600年頃から、イギリスが北アメリカに植民地を作りはじめましたが、ほぼ同時にオランダ・スウェーデン・デンマーク・フランスなどもアメリカの東海岸に植民地を作り始めました。ニューヨークはオランダ人が建てた植民地で、当初はニューアムステルダムと呼ばれていました。それを戦争でイギリスが奪ったのです。

イギリス人が作った植民地は、ピューリタン（清教徒）が作っただけでなく、カトリックやイギリス国教会の信者が作ったものもあります。例えばヴァージニア植民地は、国営の植民地だったので、宗教は英国国教会でした。メリーランドはカトリック教徒が、ペンシルバニアはクエーカー教徒が開拓しました。

「イギリスでの宗教的迫害を逃れたピューリタンがアメリカの植民地を開拓した」と一般に考えられているのは、ピューリタンが作ったマサチューセッツ植民地が、モデルケースとなり、その方式がアメリカで普及したからです。