シオニズムとは、イスラエルを追い出されたユダヤ人が再びイスラエルに帰って国家を再建しようという運動です。この運動は成功し、すでにイスラエルという国は出来ています。このイスラエルは周囲をイスラム教の国々に囲まれており、これらの国々と戦争ばかりしています。
アメリカに住んでいるユダヤ人が、同胞の国であるイスラエルを応援するのは分かるのですが、ユダヤ人でもない多くのアメリカ人の福音派キリスト教徒までがイスラエルを応援しています。そうすることによって、神の壮大な計画に自分も参加したいと考えているからです。
福音派は別にイスラエルに住みたいとは考えていないし、すでにイスラエル国家はできているので、彼らがしているイスラエル支援をシオニズムと呼ぶのはおかしいのですが、アメリカでは彼らの運動をキリスト教シオニズムと呼んでいます。
聖書は、ロシア軍とその同盟軍がイスラエルに攻め込んで大地震で自滅し敗退する、と予言しています。アメリカの福音派たちは、アメリカ政府や自分たちがイスラエルを支援するのは、それがあらかじめ神の計画に組み込まれているからだ、と考えているようです。神がそのように決めて、いろいろ実現を図っているからには、イスラエルは必ず勝つ、と考えています。
その後に救い主が現れる、と聖書は予言しています。この救い主をキリスト教徒である福音派は、2000年前に地上に現れたイエスが再びやってくるというように理解をしています。ところがユダヤ人は、2000年前に現れたイエスを救い主とは認めておらず、来たるべきメシアはまったく別の人物だと考えています。来るべき救い主が違うのに、イスラエルも福音派もその違いを問題視していません。これを問題にすると、彼らの連携にひびが入るからでしょう。
救い主が最終的に現れるとしても、それがいつなのかまるで分かっていません。ユダヤ人は救い主が現れるのを3000年近く待ち続けているし、キリスト教徒もイエスの再臨を2000年間待っています。なかなか現れなければ、待ちくたびれてキリスト教シオニズムは自壊してしまうでしょう。アメリカそのものがその間に消えて無くなるかもしれません。
イスラエルとしてはアメリカから支援してもらう立場だから良いでしょうが、福音派は「おせっかい」という感じがします。
以下はひと続きのシリーズです。
1月12日 戦後になって、アメリカはユダヤをえこひいきするようになった
1月13日 戦後、アメリカでユダヤ系の政治勢力が大幅に増大した
1月14日 アメリカのユダヤ人は、ロビー活動と政治資金で政治家を操っている
1月15日 アメリカ最大の政治勢力であるキリスト教福音派が、ユダヤ系と同盟した
1月16日 ユダヤ教とキリスト教の違いは、イエスを救済者と認めるか否か
1月18日 神様は、自分の力を見せつけるためにヨブを痛めつけた
1月19日 ヤハウェの神は、自分が全能であることを全世界に広めようとしている
1月21日 19世紀に多くのユダヤ人がロシアから逃げ出してアメリカに渡った
1月23日 ユダヤ人の社会主義者が、百年前からアメリカにたくさんいた
1月24日 ユダヤ人学者がアメリカの科学技術のレベルを上げた
1月27日 ユダヤ人は、最初は現地の人に歓迎されるがやがて嫌われる
1月28日 ポーランド政府は、ユダヤ系の自国民を見殺しにした
1月29日 第二次大戦後に、ポーランド人はユダヤ人を大虐殺した
2月2日 天変地異や核戦争でものすごい数の人類が死ぬ、と聖書は予言している
2月3日 アメリカは、聖書の予言を実現させるためにイスラエルを支援している
2月5日 イギリス国王は中途半端な宗派を強制し、プロテスタントを弾圧した
2月6日 メイフラワー号でやってきたピューリタンは、無許可で移住した
2月7日 初期には、本気で信仰を守るために移住してきた者も多かった
2月8日 大覚醒運動が起きたために、今でもアメリカではキリスト教が強い
2月9日 18世紀のアメリカでは、ちゃんとした信仰を持っていなければ劣等感にさいなまれた
2月10日 植民地時代のアメリカでは、社会的に活躍するにもちゃんとした信仰を持つ必要があった
2月11日 アメリカの州立教会の牧師は、難しい説教を長時間した
2月14日 巨大な教会(メガ・チャーチ)が続々と誕生している
2月16日 アメリカのキリスト教は、自己啓発産業になりつつある
2月25日 アメリカはプロテスタントの信仰によって老化が進んでいる