ユダヤ人の社会主義者が、百年前からアメリカにたくさんいた

レーニンと一緒になってロシア革命を起こしたトロツキー（1879～1940）もユダヤ人で、その後スターリンと争って失脚し、最終的にスターリンの刺客によって暗殺されました。彼の本名は「レフ・ダヴィードヴィッチ・ブロンシュテイン」です。

彼の実家はウクライナ（当時はロシア領だった）の地主で非常に裕福でした。レーニンの父親は物理学者で貴族だったし、マルクスの父親は弁護士でした。ロシア革命は、労働者と農民によってはじめられたのではありません。

トロツキーはロシア国内で革命活動をして追放され、西欧を経由してアメリカに行き、そこで革命運動をしていました。1917年に革命が起きた時、アメリカからロシアに帰国しています。

この事からも分かるように、当時のアメリカでは共産主義者が大勢いて、革命運動を行っていました。「アメリカでは共産主義は流行らなかった」と私は子供の時に教わり、そのように信じていましたが、これは真っ赤なウソです。

1950年代、マッカーシーという上院議員が多くのアメリカ人を「共産主義者だ」と告発し、当時の政治家たちはみな戦々恐々としていました。最近までマッカーシーの告発の多くはインチキだと思われていました。

ところがアメリカの公文書が次々と公開されて、マッカーシーの告発のほとんどが本当のことだということが分かってきました。20世紀初頭のアメリカには、共産主義者が多くいて、その多くがユダヤ人だったのです。

このような事実関係を追っていくと、第二次世界大戦の時に共産主義国のソ連と資本主義国のアメリカが連合してドイツや日本と戦ったという史実の背景が、何となく分かってきます。

アメリカが日本と戦争をした時の大統領だったフランクリン・ルーズベルトには怪しげな側近が大勢おりましたが、その多くがユダヤ系の社会主義者でした。ソ連とアメリカの双方のユダヤ人社会主義者が連携していたという図式が描けそうなのです。

今でもアメリカにユダヤ人の社会主義者は残っています。例えば、2016年の大統領候補で民主党から出てヒラリー・クリントンを相手に善戦したサンダースは、ユダヤ人の社会主義者です。