カトリックは神の神秘的な力を重視しており、神父の大きな仕事は「秘蹟」という儀式を行って神の不思議な力を信者に分け与えることです。例えば、カトリックには礼拝中にパンを食べ葡萄酒を飲む秘蹟があります。これは、パンと葡萄酒をイエス・キリストの肉体だと考え、それを信者の体内に取り入れる、という意味です。信者たちはこれによってイエス・キリストと一体になります。
カトリックの神父には特別高い教養が要求されるわけではなく、むしろ秘蹟などの儀式をスムーズに行い、その意味を説明できるだけの教義を知っていることが重視されます。
プロテスタントは、個々の信者が自分で聖書を読みその内容を理解するのが基本です。だから宗教改革をおこなったルターが真っ先にやったことが、それまで翻訳を禁止されていた聖書をドイツ語に訳したことでした。
プロテスタントの牧師には、神秘的なことを行うことなど期待されておらず、聖書の内容を信者に説明するのが仕事です。プロテスタントの牧師の説教は、「今日は、新約聖書のヨハネによる福音書の第20章1節から10節までを学びましょう」などと言って、聖書のその個所を読み上げ、その後にその解説をするというのが一般的です。
植民地時代のアメリカの北部では、州ごとに特定のプロテスタント宗派が独占的な地位にあり、州立の教会がありました。その教会の牧師には州政府からかなりの高給が支払われていました。牧師館も町の中心にある立派なもので、州立教会の牧師というのは非常なエリートだったのです。
彼らは、ラテン語などを引用して格調の高い説教をすることを心がけました。また時間の長い説教をすることが良いと考えられていたため、5時間ぐらい説教が続くこともしばしばあったようです。二人の牧師が交代で9時間の説教をしたという記録もあります。
ハーバード大学やプリンストン大学の神学部は、キリスト教の教義などほとんど教えず、もっぱらレベルの高い一般教養を教えていました。そしてこれらの大学を卒業した者でないと、州立教会の牧師にはなれませんでした。
以下はひと続きのシリーズです。
1月12日 戦後になって、アメリカはユダヤをえこひいきするようになった
1月13日 戦後、アメリカでユダヤ系の政治勢力が大幅に増大した
1月14日 アメリカのユダヤ人は、ロビー活動と政治資金で政治家を操っている
1月15日 アメリカ最大の政治勢力であるキリスト教福音派が、ユダヤ系と同盟した
1月16日 ユダヤ教とキリスト教の違いは、イエスを救済者と認めるか否か
1月18日 神様は、自分の力を見せつけるためにヨブを痛めつけた
1月19日 ヤハウェの神は、自分が全能であることを全世界に広めようとしている
1月21日 19世紀に多くのユダヤ人がロシアから逃げ出してアメリカに渡った
1月23日 ユダヤ人の社会主義者が、百年前からアメリカにたくさんいた
1月24日 ユダヤ人学者がアメリカの科学技術のレベルを上げた
1月27日 ユダヤ人は、最初は現地の人に歓迎されるがやがて嫌われる
1月28日 ポーランド政府は、ユダヤ系の自国民を見殺しにした
1月29日 第二次大戦後に、ポーランド人はユダヤ人を大虐殺した
2月2日 天変地異や核戦争でものすごい数の人類が死ぬ、と聖書は予言している
2月3日 アメリカは、聖書の予言を実現させるためにイスラエルを支援している
2月5日 イギリス国王は中途半端な宗派を強制し、プロテスタントを弾圧した
2月6日 メイフラワー号でやってきたピューリタンは、無許可で移住した
2月7日 初期には、本気で信仰を守るために移住してきた者も多かった
2月8日 大覚醒運動が起きたために、今でもアメリカではキリスト教が強い
2月9日 18世紀のアメリカでは、ちゃんとした信仰を持っていなければ劣等感にさいなまれた
2月10日 植民地時代のアメリカでは、社会的に活躍するにもちゃんとした信仰を持つ必要があった
2月11日 アメリカの州立教会の牧師は、難しい説教を長時間した
2月14日 巨大な教会(メガ・チャーチ)が続々と誕生している
2月16日 アメリカのキリスト教は、自己啓発産業になりつつある
2月25日 アメリカはプロテスタントの信仰によって老化が進んでいる