社会主義者は、主観的には社会を良くしようという思いから社会を変えようとするが、その手段として陰謀や力によって相手を従わせようとする、前回に書きました。この一例として、朝日新聞を挙げることができます。
戦前の朝日新聞には社会主義者が大勢おり、中には共産党員やソ連のスパイもいました。彼らは日本を社会主義にしようとしましたが、大日本帝国憲法はFreedom(自由)を規定しているので、正面から日本の社会主義化を主張できません。そこで支那事変を煽りに煽って、戦争を継続させて戦時統制経済という社会主義経済を作ろうとしました。
朝日新聞は戦後になっても、自覚しているか否かははっきりしませんが、社会主義を目指しています。自民党の現政権をあらゆる手段を使って非難して政権の基盤を弱め、社会不安を煽っています。社会が不安になれば、国民は今の体制を見限って社会を統制しようとする「強いリーダー」を求めるようになるからです。
このような文脈から見ると、朝日新聞が憲法第9条の改正に反対する理由も分かってきます。日本が強い国になると社会が安定し、社会主義化を進めることができないからです。特に安倍首相に対して露骨なネガティブ・キャンペーンを行うのは、彼が憲法改正を目指しているからです。
朝日新聞が社会主義国の支那や北朝鮮の実態を読者に知らせまいとしている理由も分かってきます。実際にはこれら両国の国民は悲惨な状態にありますが、そのことがわかると日本人は社会主義を受け入れなくなるからです。
また、朝日新聞は、政府組織が本来の働きを行うことを阻止しようとして「人権」を主張します。鳩山邦夫法相が三人の死刑囚の死刑を実行したときに、朝日新聞はこの法相を「人殺し」と呼びましたが、これなどはその極端な例です。法に則って社会を安定させる行為を非難するのです。
日本の社会を不安定にしようとする組織は、ほかにもたくさんあります。野党は「桜」や「モリカケ」を一生懸命やっていました。彼らは、これをやることで支持率が増えて政権をとれるなどとは思っていないでしょう。国会の中で下らないことばかりやっていれば、国民が議会制民主主義に愛想をつかし、多数決を否定する社会主義に有利になる、と意図的に考えているように見えます。
以下はひと続きのシリーズです。
4月4日 右翼・左翼という言葉を使うと、現実が分からなくなる
4月16日 アメリカが石油を禁輸したから戦争になった、というのは説明になっていない
4月21日 ソ連の工作機関が、アメリカを戦争に誘導していった
5月5日 金本位制復帰も、日本が社会主義化する大きな要因だった
5月9日 反乱を起こした青年将校は、社会主義者を指導者に仰いでいた
5月21日 日本共産党員も獄中転向し、非マルクス系の社会主義者になった
5月23日 天皇制を認めれば、社会主義を信奉してもOKになった
5月30日 ソ連のスパイの尾崎秀実は、支那事変拡大を煽り立てた
6月13日 憲法が規定する自由主義の原則を、国の役所が否定した
6月18日 軍国主義者や右翼が悪い、というのは説明になっていない
6月23日 昭和初期の日本の経済には、社会主義化するような必然性はなかった
6月27日 日本が社会主義化した大きな原因は、Freedomが輸入品だったこと
コメント
民主制はしばしば独裁制に転じると言うことはプラトンなど古代の哲学者も強調していました。
皮肉な事に、自由とか個人主義の考え方が世の中に浸透していくと、そのネガティブな面も強力になり、反対方向に転じる。
つまり、自由や個人主義を弾圧するようになる。
なので、絶対自由や絶対統制のような極端を選択するのではなく、ある程度社会を取り入れ、ある程度自由主義を取り入れた「混合体制」を目指した方が良いのかもしれません。