「右翼」「革新派」の多くは社会主義者だった

大正期から昭和初期の日本の指導者には、社会主義思想に染まっていた者がたくさんいました。彼らの中には日本共産党の党員になって非合法の活動を行ったいわゆる「アカ」もいましたが、このように外から見て明らかに「社会主義者」と分かるのはむしろ少数でした。

大部分は共産党とは無縁の軍人・官僚・学者などで、「右翼」「革新派」などと呼ばれ、社会主義者とは正反対の者たちだ、と一般に思われていました。そのために、「昭和初期には社会主義に染まった者が多かった」と言われても、多くの人は信じられないと思います。

彼らはもともと社会主義的な考え方を持っているので、自分の職務を果たすときに社会主義的な政策を行おうとしました。それをソ連のスパイに利用されたのです。ソ連は、日本とアメリカを戦争させ、敗戦の混乱に乗じてその国に革命を起こそうと考えました。

社会主義的な考えを持つ軍人や官僚などは、組織の中に紛れ込んだソ連のスパイに操られて、知らず知らずのうちに日本をアメリカとの戦争に引っ張っていきました。このようなことをいきなり言われても、にわかには信用できないと思います。したがってこれから、かなり詳細にかつての日本に起きたことを説明していこうと思います。

およそ40年間アメリカのFBI長官を務めていたフーバーは、知らず知らずのうちにソ連に利用されていた者を間抜け（デュープス）と呼んでいます。日本にもアメリカにも多くの「間抜け」がいて、彼らがソ連によって踊らされていたために、日本とアメリカは戦争を始めてしまった、という側面があります。