幕末から敗戦まで日本人に決定的な影響を与えてきた大アジア主義が、敗戦と同時に消え去るはずがなく、今の日本でも大きな影響力を保持しています。このことは、いまアメリカを始め世界中の国々が支那を警戒しているのに、経済界がいまだに無防備な状態にあるのを見ても分かります。
一帯一路という、支那の政治的・経済的・軍事的メリットだけを考え相手国のことを一切考慮しない政策に、経団連をはじめとした財界が協力的な態度を変えていません。このような悪評の高い政策に日本が協力すれば、当該企業のブランドが傷つくだけでなく、日本全体の信用問題になります。
大手の自動車メーカーは、先端技術の塊である電気自動車の巨額の投資を支那にする計画を変えていません。これは自社の技術が支那に盗まれるだけではなく、先端技術の軍事転用を警戒するアメリカとの関係を悪化させます。
フランスのマクロン大統領はルノーと日産を合併させてフランスの企業にし、日産の技術で支那に大規模な自動車工場を作ろうとしました。この計画を危険だと考えたアメリカが裏で糸を引いて、ゴーンさんを逮捕させたらしいのです。
このような日本の経済界の行動の背景に、大アジア主義があります。1972年に日本と支那は国交を回復しました。この時、私は大人への入り口にいましたが、なぜここまで日本人が興奮するのか、輝かしい夢物語があるだけで具体的なことが何もないのに騒ぐのか、私は不思議でした。
この頃の私は支那の歴史などの知識がすでにあったので、あの国を信用していませんでした。そうしたら案の定、日本は技術や資金をどんどんむしられ続けました。
朝鮮に関しても同じことが言えます。50年以上前に国交を回復した時に、信じられないほど巨額の金を恵んでやり、不法に入国した朝鮮人に永住権を与えるなど理屈に合わないことを多く行いました。その結果、日本はなめられています。
新日鉄は、朝鮮から頼まれて赤字で浦項製鉄所というライバルを作ってやり、挙句の果てにありもしない徴用工の件で賠償を請求されています。
前の経団連会長の榊原定征は、支那の一帯一路に協力を申し出ましたが、彼は東レの会長です。東レはカントリーリスクを考慮せずに、炭素繊維という先端技術の製造と研究のために1兆円を朝鮮につぎ込んでいます。このような無防備でリスクを度外視した行動をとるのは、大アジア主義が背景にあるからだ、と断言できます。
以下はひと続きのシリーズです。
4月9日 支那の国有企業が民営化すれば、共産党政権が崩壊し、伝統文化が傷つく
4月11日 支那の伝統を破壊するまでは、アメリカの目的は達せられない
4月12日 アメリカのスーパー301条は、邪悪な者には自由を認めない、という法律
4月15日 支那との付き合いが短い国が、支那の危険性に目覚めている
4月17日 支那の皇帝陛下は、日本の天皇陛下に手紙を出せない
4月18日 江戸時代の日本人は、支那を「聖人の国」だ、と誤解した
4月23日 支那は、自国民も外国人も守ろうとせず、略奪をする
4月26日 大アジア主義は、江戸時代の社会体制を前提として考え出された
5月1日 外務大臣が、英米のFreedomの原則を理解していなかった
5月3日 金解禁によって日本は恐慌になり、国民は政党を信用しなくなった
5月6日 満州事変以後、軍人たちは中央の言うことを聞かなくなった
5月7日 元老、重臣、財閥、官僚、政党政治家は、みんな悪党だ
5月8日 軍人が行ったテロから、日本人は「赤穂浪士の討ち入り」を連想した
5月11日 軍人は、大アジア主義の発想から、支那本土で軍事作戦を行った
5月12日 日本軍が支那本土で軍事作戦をしたために、アメリカとの関係が悪化した