文化大革命により、多くの人が死に、若者は教育を受けなかった

高校生の「紅衛兵」は、「反革命分子」の家に侵入して公衆の面前に引出し、帽子を被せて、胸にその罪状を書いた板をぶら下げて、責めたてました。甚だしい場合には殴り殺しました。このような責め苦を受けて自殺した者も大勢います。

紅衛兵は、当初は「反革命分子」の摘発をやっていたのですが、そのうちに紅衛兵どうしで戦闘を始めました。彼らは軍隊から武器を供与されていたので、市街戦が起きました。

文化大革命の末期になると、毛沢東も紅衛兵を持て余し、彼らを田舎に追放することにしました。これが「下放」という制度です。表向きは、田舎の農村で農民たちと生活を共にすることで思想改造を図るということにしました。都会の高校生など仕事の役に立たず、理屈をこねるだけで、農民にとって迷惑至極なものでした。

文化大革命によって、多くの人が殺されたり自殺したり、殴打されて身体障害者になりました。下放され激変した環境に対応することが出来ずに亡くなった者も大勢います。支那政府は文化大革命で死んだ者の数を40万人と発表していますが、実際はそんなものではなく、1000万人~2000万人ぐらいが死んでいるようです。

文化大革命は1966年から毛沢東が死ぬ1976年まで10年間続きましたが、そのあいだ「知識人は反革命分子だ」ということから、学校が機能停止していました。高校生という中等教育を受けるべき年代の者が、学校で勉強する代わりに紅衛兵となって騒いだり、下放されたりしました。教育を受けていないので、彼らは文革後の社会再建時に戦力になれず、社会の負担になりました。

文革中、大学など高等教育機関は紅衛兵の目の敵にされ、研究がまるで出来ませんでした。今の支那は科学技術の基礎が出来ておらず、先端技術を西側先進国から盗んでいます。これは支那の文化が科学技術開発に向いていないということが基本的な原因ですが、文化大革命時代の悪影響という面も若干あります。

以下はひと続きのシリーズです。

3月1日 『毛沢東の私生活』を読みました

3月2日 『毛沢東の私生活』の著者は、特異な育ち方をした

3月3日 李志綏は、嫌々ながら毛沢東の主治医を22年間つとめた

3月4日 李志綏はやはり、その出自から思想的に疑われていた

3月5日 毛沢東は、自分の主治医を選ぶのに、他人任せにしなかった

3月6日 毛沢東は人たらしである

3月7日 毛沢東は、相手の弱点を握って服従させた

3月8日 毛沢東が江青を堕落させた

3月9日 晩年の毛沢東は、パラノイアだった

3月10日 毛沢東は、他人の苦しみを見ても平然としていた

3月11日 支那人は人間関係がすべて

3月12日 毛沢東の死は、政治的な大事件だった

3月13日 毛沢東の女たち

3月14日 毛沢東は、支那がまっとうな共産主義国家であることを証明するために、大躍進運動を始めた

3月15日 大躍進運動が失敗し、5000万人が餓死した

3月16日 大躍進運動の失敗により、毛沢東の権力基盤が揺らいだ

3月17日 毛沢東は文化大革命を始めて、自分の権力を奪還しようとした

3月18日 文化大革命により、多くの人が死に、若者は教育を受けなかった

3月19日 毛沢東は、共産党の官僚たちをやっつけるために軍隊も使った

3月20日 毛沢東は劉少奇と鄧小平を失脚させ、林彪を後継者にした

3月21日 毛沢東と後継者の林彪は、互いに相手を疑って殺そうとした

3月22日 毛沢東にとっては、国民の半分が死ぬのは当たり前のことだった

3月23日 支那人は今でも皇帝が大好きである

3月24日 秦は諸侯を滅ぼして全土を直轄支配したが、すぐに滅びた

3月25日 皇帝制度は、支那人にとって良い制度ではない

3月26日 皇帝制度があるから、大勢の支那人が死ぬ

3月27日 習近平は、党・国家・軍をすべて押さえた

3月28日 支那人は、習近平皇帝を望んでいるかもしれない

3月29日 朝貢は手土産を贈るという意味で、臣従を意味しない

3月30日 支那の皇帝は、周辺国からなめられたら、武力侵攻する

3月31日 支那は好戦的である

4月1日 支那の尖閣列島侵略に備えて、憲法問題を処理しておかなければならない

4月2日 習近平は毛並みが良い

4月3日 習近平は、農民の心をつかんだ

4月4日 支那人には、他人どうしが助け合う考え方がない

4月5日 儒教は、他人どうし助け合いなさい、などとは言っていない

4月6日 支那人は他人が苦しんでいるのを見ても、さして心を痛めない

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コメント

  1. takafumi より:

    こんにちは。
    文化大革命についての知識はほとんど無かったので、
    このような実態を知り驚きました。
    今回もシリーズを最初から読みたいと思います。