アメリカ占領軍の置き土産のマルクス系社会主義が大乗仏教化しました。それは下記のような二つの理由からです。
1、戦後の日本社会は、神道の影響力が弱まり、大乗仏教の勢力が優勢になりました。そのため、マルクス系社会主義は、日本全体の大乗仏教化の影響を受けました。社会主義は格差是正・平等を強く主張するので、人間は本来みな同じだと主張する大乗仏教と親和性が高いです。そのため、日本社会が大乗仏教化するにつれて、社会主義も大乗仏教化し、勢力を増していきました。
2、FreedomとEqualityの訳語に自由・平等という仏教用語を使ったので、日本人はFreedomとEqualityを仏教の教義で解釈しています。これは、社会主義者を自認している「左翼」たちも同じです。このような経緯で、マルクス系社会主義が大乗仏教的な社会主義に変化しています。
今から1の、「神道の影響力が弱まり、大乗仏教の勢力が優勢になったため、また社会主義と大乗仏教と親和性が高いので、日本社会が大乗仏教化するにつれて、社会主義も大乗仏教化した」ということを説明していきます。
神道と仏教の教師数推移(「宗教関連統計に関する資料集」 文化庁宗務課)
・ 1937年 (戦争) 1949年 1979年 2009年
神道 14.1万人 14.3万人 10.4万人 7.7万人
仏教 5.7万人 17.0万人 24.3万人 35.2万人
*教師は、神職や僧侶より少し範囲が広く宗教的リーダーを指します。
人数で判断すると、戦前は神道の方が仏教より二倍以上の勢力がありました。戦後になって神道の勢力は半減しましたが、仏教の勢力は6倍以上になりました。その結果、今では仏教の方が神道より4倍以上の勢力があります。
私自身、「戦前の日本社会は神道の発想で動いていたが、戦後は非常に仏教化した」という印象を持っていました。そこで数字を調べてみると、見事に私の印象を裏付ける結果が出て、私自身がビックリしました。
以下はひと続きのシリーズです。
8月1日 1970年と1989年が、戦後のターニングポイント
8月4日 1970年頃から、電車の中で座席を譲らないようになった
8月6日 席を譲らなくなったのは、自由の考え方が強まったから
8月13日 日本を占領したアメリカ軍の幹部に社会主義者が大勢いた
8月20日 占領軍の社会主義者は、日本の軍人や官僚とは別系統だった
8月22日 アメリカ占領軍は、マルクス系社会主義を持ち込んだ
9月3日 Freedomを自由と訳したから、社会主義が仏教化した
9月10日 フランスの学生は、大乗仏教に影響されて大学紛争を起こした
9月12日 日本の学生は、フランス製の仏教思想によって、大学紛争を起こした