1970年と1989年が、戦後のターニングポイント

日本が独立し(1952年)、朝鮮戦争が休戦(1953年)から今までの67年間を振り返ると、1970年と1989年を境にして、前期17年、中期19年、及び後期31年に分けられる、と私は感じています。様々な視点から見ても、1970年と1989年が戦後日本のターニングポイントなのです。

1989年6月、支那の共産党政府が北京の天安門前広場で、政治改革を求める学生を1万人あるいは3万人殺しました。これに対して西側諸国が支那を制裁したため、共産党政府は、西側の価値観をある程度受け入れないと国がもたない、ということを悟りました。そして、まやかしではありますが、市場経済を導入し始めました。また、この年の11月にはベルリンの壁が崩壊し、東欧の社会主義諸国が崩壊し始め、資本主義化しました。

それまで社会主義陣営と資本主義陣営の二つに分かれていた世界が一つにまとまり、本格的にグローバル化しました。日本はそれまで資本主義陣営に属し、安全保障や為替レートなど様々な分野でアメリカに支えられていました。

しかし、1989年に起きた世界のグローバル化・市場経済化の中で、自前で生きていかなければならなくなりました。この時期に急激な円高になって輸出産業が大打撃を受けましたが、これはアメリカがもはや日本を特別に優遇する必要がないと判断した結果です。また従来は接触がなかった旧社会主義諸国と、競争をしなければならなくなりました。

日本はそれまで履いていた下駄を外されたということです。バブルの崩壊はそれを象徴する事件で、以後日本は失われた30年に突入しました。1989年がターニングポイントであることに、多くの人は異論がないと思います。

1970年頃までの日本は、新製品開発や海外市場開発などを猛烈に行い、GDPも毎年10%以上成長していました。私より10歳ぐらい年上の先輩たちは、それまで経験したことがない新しいことを次々とやっていました。まさに高度成長時代だったのです。

しかし1970年から1989年のバブル崩壊までの間は、その時までに敷いたレールをそのまま走っていたという感じです。GDPの伸び率も4~5%ぐらいにスローダウンしました。1970年もやはりターニングポイントなのです。

以下はひと続きのシリーズです。

7月14日 現代を宗教で読み解く

7月16日 宗教を本気で考える習慣が消えてしまった

7月18日 学校や家庭で、宗教を教えなくなった

7月21日 日本語に仏教用語が入り込んでいる

7月23日 神道の言葉も日本語に入っている

7月25日 社会を「科学的方法」で分析するのは難しい

7月28日 子供のころに感じた疑問は大切である

7月30日 ベトナム戦争の報道にも疑問を感じた

8月1日 1970年と1989年が、戦後のターニングポイント

8月4日 1970年頃から、電車の中で座席を譲らないようになった

8月6日 席を譲らなくなったのは、自由の考え方が強まったから

8月8日 日本人も、年功序列は問題があると思っている

8月11日 年功序列は仏教の発想

8月13日 日本を占領したアメリカ軍の幹部に社会主義者が大勢いた

8月15日 天皇制廃止は占領軍の社会主義政策

8月18日 言論統制も農地解放も占領軍の社会主義政策

8月20日 占領軍の社会主義者は、日本の軍人や官僚とは別系統だった

8月22日 アメリカ占領軍は、マルクス系社会主義を持ち込んだ

8月25日 戦後、日本は激しく大乗仏教化している

8月27日 戦後、神道の勢力が衰えた

8月29日 戦後、国籍や民族の違いを認めないようになった

9月1日 自虐は、大乗仏教と社会主義から来ている

9月3日 Freedomを自由と訳したから、社会主義が仏教化した

9月5日 「国家は悪いことをする」は仏教の発想

9月8日 1960年代に、日本の社会主義は大乗仏教化した

9月10日 フランスの学生は、大乗仏教に影響されて大学紛争を起こした

9月12日 日本の学生は、フランス製の仏教思想によって、大学紛争を起こした

9月15日 消費増税は、大乗仏教の発想からきた

9月17日 神道や仏教の知識がないから、日本の大乗仏教化に気づかない

9月19日 日本国憲法も、日本の大乗仏教化を促進した

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