「日本人は、特に優秀というわけではないのだ。戦争ばかりして心がけが悪い分だけ、むしろ劣等なのだ」という主張は、大乗仏教の平等観とマッチします。世間でよく言われている「自虐」は、大乗仏教の発想と表裏一体なのです。大乗仏教的発想が優勢になって、このような説がたくさん流布されるようになりました。
このような説の一つに、弥生時代に稲作が朝鮮半島から伝わったという説があります。紀元前200年までの日本は縄文時代で、原日本人は稲作を知らず全くの未開人だったと主張するのです。そのころ朝鮮半島から稲作技術を持った民族が日本に渡ってきて、原住民の縄文人を追い払い稲作を行って、弥生時代になったというのです。
すなわち、今の日本人は朝鮮人と先祖が同じであり、縄文人とは血がつながっていないというのです。最近の遺伝子解析技術の発達により、この説が誤りであることははっきりしています。朝鮮の稲と日本の稲はDNAが違うのです。また、今の日本人の中に朝鮮人の遺伝子はわずかしか含まれていません。
近年の考古学の発展によって、縄文時代に栗などの栽培がおこなわれていました。青森県の三内丸山遺跡は5000年ほど前の縄文遺跡ですが、稲作以外の農業がおこなわれていたことが調査の結果あきらかになっています。
日本で陸稲栽培が始まったのは6000年以上前で、これは中国の長江流域で稲作が始まったのと、ほぼ同時期です。水稲栽培は少なくとも3000年前には日本で始まっていました。日本の農業は朝鮮より早くから始まっているのです。そもそも日本よりも北にあって寒い朝鮮で早い時期に稲作が発達していた、というのがおかしいのです。
このように古代史を捏造することによって、「日本人は劣等民族だ。日本の文化はレベルが低い模造品だ」と主張して、わざわざ日本民族の誇りを否定するような説は、遺伝子工学や考古学の発展によって否定されています。
ところがこのような古代史の真実を大手のマスコミは報道せず、教科書にも書かれていません。それは、日本人は他民族と違う、という当たり前の事実を主張することが大乗仏教の発想に反するからです。そして真実を明らかにしようとしないのが、いわゆる「左派」であり、社会主義者なのです。
以下はひと続きのシリーズです。
8月1日 1970年と1989年が、戦後のターニングポイント
8月4日 1970年頃から、電車の中で座席を譲らないようになった
8月6日 席を譲らなくなったのは、自由の考え方が強まったから
8月13日 日本を占領したアメリカ軍の幹部に社会主義者が大勢いた
8月20日 占領軍の社会主義者は、日本の軍人や官僚とは別系統だった
8月22日 アメリカ占領軍は、マルクス系社会主義を持ち込んだ
9月3日 Freedomを自由と訳したから、社会主義が仏教化した
9月10日 フランスの学生は、大乗仏教に影響されて大学紛争を起こした
9月12日 日本の学生は、フランス製の仏教思想によって、大学紛争を起こした