「国家は悪いことをする」は仏教の発想

日本の社会主義者たちは、「国家は悪いことをする」と考えています。自衛隊を合憲にすることに反対するのは、「正規の軍隊を持たせたら、日本はまた他国を侵略する」と考えるからです。「国家は悪いことをする」というのは、大乗仏教の発想なので、これも日本の社会主義が大乗仏教化していることの証拠です。

自分の大切にしているもの(財産、人間関係、地位など)がなくなった時に、人間は精神的な苦痛(これを苦といいます)を感じます。仏教は苦が起こらないようにすることを目的とする宗教です。

苦が起きないようにするには、自分が大切にしているものを自発的に捨てれば良いのです。妻子を捨て、財産を捨て、社会的な関係を断つわけで、これが出家です。逆に言えば、出家せず実社会に留まっているのは、ものに執着している者たちです。

社会に留まっている者たちがものに執着しそれを奪い合っているために、社会には争いが絶えません。仏教の視点では、社会はものに執着している未熟な者たちが集まっており、彼らが作っているのが国家です。つまり国家は穢れたものであり、ものを争って悪いことをするのです。

キリスト教には、「社会は穢れている」「国家は悪いことをする」という発想はありません。キリスト教には出家という発想がなく、実社会で働きながら神の教えを実践するのが基本です。人間たちが神の教えを守れば、地上の社会が「神の国」になることも可能です。ただ、国家組織や統治者個人が悪い場合はあります。

悪い統治者が出現しないように権力を分散させようというのが三権分立であって、これは「国家の存在そのものが悪い」という考え方から来たものではありません。Freedomはキリスト教から生まれたものだから、「国家は悪いことをする」という考え方はありません。

西欧の社会主義はFreedomから派生したので、やはり「国家は悪いことをする」という考え方はありません。日本の左翼(社会主義者)が、「国家は悪いことをする」と考えているのは、彼らが大乗仏教化しているからです。

以下はひと続きのシリーズです。

7月14日 現代を宗教で読み解く

7月16日 宗教を本気で考える習慣が消えてしまった

7月18日 学校や家庭で、宗教を教えなくなった

7月21日 日本語に仏教用語が入り込んでいる

7月23日 神道の言葉も日本語に入っている

7月25日 社会を「科学的方法」で分析するのは難しい

7月28日 子供のころに感じた疑問は大切である

7月30日 ベトナム戦争の報道にも疑問を感じた

8月1日 1970年と1989年が、戦後のターニングポイント

8月4日 1970年頃から、電車の中で座席を譲らないようになった

8月6日 席を譲らなくなったのは、自由の考え方が強まったから

8月8日 日本人も、年功序列は問題があると思っている

8月11日 年功序列は仏教の発想

8月13日 日本を占領したアメリカ軍の幹部に社会主義者が大勢いた

8月15日 天皇制廃止は占領軍の社会主義政策

8月18日 言論統制も農地解放も占領軍の社会主義政策

8月20日 占領軍の社会主義者は、日本の軍人や官僚とは別系統だった

8月22日 アメリカ占領軍は、マルクス系社会主義を持ち込んだ

8月25日 戦後、日本は激しく大乗仏教化している

8月27日 戦後、神道の勢力が衰えた

8月29日 戦後、国籍や民族の違いを認めないようになった

9月1日 自虐は、大乗仏教と社会主義から来ている

9月3日 Freedomを自由と訳したから、社会主義が仏教化した

9月5日 「国家は悪いことをする」は仏教の発想

9月8日 1960年代に、日本の社会主義は大乗仏教化した

9月10日 フランスの学生は、大乗仏教に影響されて大学紛争を起こした

9月12日 日本の学生は、フランス製の仏教思想によって、大学紛争を起こした

9月15日 消費増税は、大乗仏教の発想からきた

9月17日 神道や仏教の知識がないから、日本の大乗仏教化に気づかない

9月19日 日本国憲法も、日本の大乗仏教化を促進した

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