「次に生まれ変わるときは、どこの国に生まれたいか」と聞かれたら、多くの人はアメリカか西欧諸国か日本、と答えるでしょう。日頃は支那や北朝鮮に対して非常に好意的な人も、自分が来世でこれら国に生まれることになったと知ったら、その時はどのような態度をしめすでしょう。
アメリカ・西欧諸国・日本のグループには、キリスト教から生まれたFreedomや神道から生まれた誠の考え方を重視する文化がしっかりと根付いています。その他の国々には、このような文化的伝統がありません。
その他の国にもキリスト教国がたくさんあります。フィリッピン・中南米・南朝鮮などです。たしかにこれらの国には多数のキリスト教徒がいますが、キリスト教の1000年以上にわたる長い伝統がなく、国民の心の中にFreedomの考え方が根付いていないのです。
「宗教は個人的な問題だ」とか「どの宗教も結局は同じだ」などと言う人が多くいます。個人レベルで宗教を考える場合は、このような見方も可能かもしれません。こっちの宗教の方があっちの宗教より良い、などということは主観的な事柄です。
しかし、宗教を民族単位・国単位で考える場合には、また違ってきます。経済的に豊かになるか、格差がどのぐらいになるか、社会の治安は良いか、多くの国民が自分の生まれた国から逃げ出すことを望んでいるか、などということは、民族単位・国単位の宗教が何かによって決まってしまうのです。
一つの国が自国や他国の宗教に無関心だったとしても、相手の国も同じとは限りません。アメリカは相手国の宗教がキリスト教と相性が良いか否かで、扱いに差をつけています。すなわち、ユダヤ教のイスラエルを優遇し、イスラム諸国には比較的冷淡です。
今後の世界を考えるうえで、その国にFreedomや誠の伝統があるか否かを判断材料とすることは、有効だと思います。特に今は、宗教や文化の違いをことさら無視するグローバリズムから反グローバリズムへの転換点です。今までのように、宗教や文化の違いを無視すると大きく判断をあやまります。
以下はひと続きのシリーズです。
9月24日 自分が正しいと思っているから、アメリカは戦争ばかりする
9月26日 南部は、北部の文化の押し売りを嫌がって、南北戦争を起こした
9月29日 アメリカ人の、「自分は正しい」という発想は根強い
10月13日 トランプは、共和党の中のネオコンと戦って大統領になった
10月15日 トランプは、「メリー・クリスマス」にこだわった
10月17日 トランプの「アメリカ・ファースト」はFreedom
10月22日 ユダヤ人のほとんどは、アメリカとイスラエルに住んでいる
10月24日 第二次大戦後にアメリカはイスラエルを特別扱いし始めた
10月27日 「聖書の予言は必ず実現する」とアメリカの福音派は思った
10月29日 8000万人のアメリカ人が最後の審判を信じている