世界の各地域を、宗教的な視点・Freedomや誠の視点から、順番に見ています。今までアメリカ、中東、支那、朝鮮について書いてきましたが、今回はEU(西欧)に触れたいと思います。
EUはキリスト教の伝統があり、Freedomの考え方が普及していちはやく資本主義化した先進地帯です。基本的にアメリカと同じなのです。基本が同じなので、現在の社会状況も下記の点でアメリカとよく似ています。
1、Freedomの鬼っ子である社会主義が大きな勢力を持っている
2、社会主義の思想からくるグローバル主義により、移民に寛容な政策を長い間続けてきた。
その結果社会が混乱したので、伝統的な文化を重視し移民を排斥しようとする保守勢力が台頭してきた
西欧とアメリカは同じキリスト教社会ですが、18世紀以降は両者のキリスト教は違う発展を遂げています。アメリカは「大覚醒」という社会現象が起きて、キリスト教の価値観が強烈に浸透している社会になりました。
ところが西欧は、啓蒙主義の普及や市民革命を経てキリスト教の影響力がかなり弱くなっています。例えば、革命前のフランスはカトリックの影響が圧倒的だったので、革命後はその反動が起きました。国家が宗教的なことを行うのを憲法が禁止しているのです。
このようにアメリカと西欧のキリスト教の伝統が異なるので、私は今後の西欧とアメリカの動きはかなり違うものになるだろうと思っていました。ところが最近の移民問題の動きは、よく似ています。1500年も続いた西欧のキリスト教の伝統は、そう簡単に消えないということに私も気づいたのです。
だから、アメリカと西欧は基本的によく似ている、と考えてよいと思います。ただ政治体制の違いから、具体的な社会現象の現れ方が違います。アメリカは統一国家ですから、保守と革新の対決は、共和党と民主党という政党の争いに帰結します。
ところが西欧は、グローバリズムによってEUという中途半端な国家が出来ました。そのために、保守と革新の対決は、EUに留まるのか離脱するのか、という形になります。
以下はひと続きのシリーズです。
9月24日 自分が正しいと思っているから、アメリカは戦争ばかりする
9月26日 南部は、北部の文化の押し売りを嫌がって、南北戦争を起こした
9月29日 アメリカ人の、「自分は正しい」という発想は根強い
10月13日 トランプは、共和党の中のネオコンと戦って大統領になった
10月15日 トランプは、「メリー・クリスマス」にこだわった
10月17日 トランプの「アメリカ・ファースト」はFreedom
10月22日 ユダヤ人のほとんどは、アメリカとイスラエルに住んでいる
10月24日 第二次大戦後にアメリカはイスラエルを特別扱いし始めた
10月27日 「聖書の予言は必ず実現する」とアメリカの福音派は思った
10月29日 8000万人のアメリカ人が最後の審判を信じている