アメリカで、最初にFreedomの考え方が大々的に発揮されたのは、1775年にイギリスからの独立を図った時でした。イギリスが東海岸の13の植民地に対して、植民地の同意を得ないで税金をかけたことに対して腹を立てて武力蜂起したわけです。
この時にアメリカ独立軍が作った檄文が「独立宣言」ですが、その冒頭には、「神が人間を作った」というキリスト教の教義が書かれています。「すべての人間は、その創造主によって、生命、Liberty(Freedom、自由)および幸福の追求を含む不可侵の権利を与えられている」と書かれているのです。
このFreedomの考え方に従って、アメリカ人は心が正しいのだから、アメリカが独立するのは正しい行為だ、と考えるのです。当時のアメリカはイギリス領で、住民はイギリス国籍だったから、独立運動をすれば内乱罪になりました。しかし、正しいことを行うのであれば、法律を破っても構わないと思ったわけです。
以後、アメリカは数々の戦争をしますが、全てFreedomの考え方に基づいて行っています。アメリカ人は心が正しいのだから、することは正しい。正しいことをするのに障害となるルールは、全て破っても構わない、ということです。
1775年 ~ 1783年 独立戦争
1812年 ~ 1814年 米英戦争
1846年 ~ 1848年 米墨(メキシコ)戦争
1861年 ~ 1865年 南北戦争
1898年 米西戦争
1899年 ~ 1902年 米比(フィリピン)戦争
1917年 ~ 1918年 第一次世界大戦
1941年 ~ 1945年 第二次世界大戦
1950年 ~ 1953年 朝鮮戦争
1965年 ~ 1975年 ベトナム戦争
1991年 湾岸戦争
2001年 ~ アフガニスタン戦争
2004年 ~ 2011年 イラク戦争
2011年 リビア戦争
上記の他にも、インディアンとの戦争や他国の紛争への介入など、多くの戦争をしています。
ウィキペディアの「アメリカ合衆国が関与した戦争一覧」を見ると、全部で105の戦争をしていて、2年に一度は戦争をしているのです。
こんなに戦争が好きなのは、アメリカ人は自分たちが正しいと思っているからです。そしてその背景には、イエス・キリストを信じているのだから自分は正しい心を持っている、というキリスト教の信仰があります。
以下はひと続きのシリーズです。
9月24日 自分が正しいと思っているから、アメリカは戦争ばかりする
9月26日 南部は、北部の文化の押し売りを嫌がって、南北戦争を起こした
9月29日 アメリカ人の、「自分は正しい」という発想は根強い
10月13日 トランプは、共和党の中のネオコンと戦って大統領になった
10月15日 トランプは、「メリー・クリスマス」にこだわった
10月17日 トランプの「アメリカ・ファースト」はFreedom
10月22日 ユダヤ人のほとんどは、アメリカとイスラエルに住んでいる
10月24日 第二次大戦後にアメリカはイスラエルを特別扱いし始めた
10月27日 「聖書の予言は必ず実現する」とアメリカの福音派は思った
10月29日 8000万人のアメリカ人が最後の審判を信じている