ソ連がアメリカを社会主義化するために熱心に工作活動を行ったこともあって、20世紀中ごろには社会主義者がアメリカで増えてきました。
全ての社会主義が宗教を否定するわけではありませんが、社会主義者には無神論者が多く、一般的にも社会主義は宗教を敵視する、と思われています。そのためにキリスト教の勢力が強いアメリカでは、社会主義を堂々と名乗ってはアメリカ人の支持を広く集めることが難しいです。また共和党と民主党の二大政党制が定着しているので、民主党に紛れ込んで活動する方が現実的です。
従って、20世紀の半ば以降の民主党は多少とも社会主義に染まっている、と考えるのが実態に合っています。
アメリカの社会主義は、下記のような特徴があります。
1、民族や国家を重視する国家社会主義ではなく、「世界は一つ」「人類みな兄弟」という グローバル主義である。
2、人種差別に反対
3、社会主義だから、政府が市場経済に介入する統制経済を行おうとする
アメリカはキリスト教の勢力が強いので、社会主義に染まった民主党の大統領の時でも、上記の社会主義の特徴がすべて現れるとは限らず、状況に応じてその一部だけが表面化することが多いです。
1933年~1953年の20年間は、民主党から大統領が出ました(フランクリン・ルーズベルト、トルーマン)が、このときにニューディール政策という公共投資を行って最高裁判所から違憲判決を食らいました(市場経済に反する)。また、ソ連を国家承認し国交を持ちました。この時期のアメリカ政府には、社会主義者が大勢いただけでなく、ソ連のスパイもいました。この20年間にアメリカの社会主義化がかなり進展しました。
1961年~1969年の8年間も、民主党のケネディとジョンソンが大統領でした。黒人に選挙権を与えたのはこの時期です。
1969年~1977年の8年間は、共和党のニクソンとフォードが大統領でしたが、その後の4年間(1977年~1981年)は、民主党のジミー・カーターが大統領でした。彼は社会主義国の中国と国交を始めました。
1981年~1993年の12年間は、共和党のレーガンとブッシュ(父)が大統領でした。この時期になるとアメリカはさらに社会主義化が進んでいたので、レーガン大統領はその勢力を阻止しようとしました。
以下はひと続きのシリーズです。
9月24日 自分が正しいと思っているから、アメリカは戦争ばかりする
9月26日 南部は、北部の文化の押し売りを嫌がって、南北戦争を起こした
9月29日 アメリカ人の、「自分は正しい」という発想は根強い
10月13日 トランプは、共和党の中のネオコンと戦って大統領になった
10月15日 トランプは、「メリー・クリスマス」にこだわった
10月17日 トランプの「アメリカ・ファースト」はFreedom
10月22日 ユダヤ人のほとんどは、アメリカとイスラエルに住んでいる
10月24日 第二次大戦後にアメリカはイスラエルを特別扱いし始めた
10月27日 「聖書の予言は必ず実現する」とアメリカの福音派は思った
10月29日 8000万人のアメリカ人が最後の審判を信じている