イランは、中東の他の国とは人種が違う

なぜイランとその周辺だけが、他の地域と異なる指導者選出方法を採用したのでしょうか。実はイスラム教が出来てから1000年間、シーア派はほとんど相手にされず、中東の片隅でわずかに存続しているだけでした。イランもスンニー派だったのです。

ところが16世紀初めに興ったサファビー朝はシーア派を国教にし、それが領内で普及したのです。現在のシーア派の分布とサファビー朝の版図がだいたい重なります。

サファビー朝はアーリア人種のイラン人が作った王朝で、その版図に住んでいたのは、ほぼアーリア人種でした。一方、アラビア半島や北アフリカに住んでいるのはアラブ人で、人種が違うのです。

また、イラン人は農耕民族で、文化的にも遊牧民とは違います。つまり、サファビー朝を建てたイラン人は、シーア派という宗派を隠れ蓑にして自分たちアーリア人種の文化的・政治的独立を主張した、ということなのです。

「スンニー派とシーア派の対立は、本当は民族的・文化的対立なのではないか?」という仮説を立てると、今のイスラエルとサウジアラビアが実質的に同盟関係にあり、イランと敵対している理由が少しは分かるような気がします。この三者の関係は、宗教的な関係ではなく、民族的・文化的な親疎の関係に見えます。

・     イスラエル       サウジアラビア         イラン
宗教    ユダヤ教     スンニー派イスラム教    シーア派イスラム教
人種  もともとアラブ人     アラブ人        アーリア人

以下はひと続きのシリーズです。

9月22日 アメリカはできた当初からキリスト教国家である

9月24日 自分が正しいと思っているから、アメリカは戦争ばかりする

9月26日 南部は、北部の文化の押し売りを嫌がって、南北戦争を起こした

9月29日 アメリカ人の、「自分は正しい」という発想は根強い

10月1日 アメリカのFreedomを変えたのは社会主義

10月3日 アメリカでは、民主党が社会主義化した

10月6日 共和党にグローバリストのネオコンが入り込んだ

10月8日 アメリカはどんどんグローバル化した

10月10日 オバマは社会主義者でグローバリスト

10月13日 トランプは、共和党の中のネオコンと戦って大統領になった

10月15日 トランプは、「メリー・クリスマス」にこだわった

10月17日 トランプの「アメリカ・ファースト」はFreedom

10月20日 アメリカは今でも白人が圧倒的に多い

10月22日 ユダヤ人のほとんどは、アメリカとイスラエルに住んでいる

10月24日 第二次大戦後にアメリカはイスラエルを特別扱いし始めた

10月27日 「聖書の予言は必ず実現する」とアメリカの福音派は思った

10月29日 8000万人のアメリカ人が最後の審判を信じている

10月31日 アメリカでの宗教の自由

11月3日 スンニー派とシーア派の対立は、宗教対立ではない

11月5日 イランは、中東の他の国とは人種が違う

11月7日 イスラム教には、Freedomや誠の考え方がない

11月10日 イスラム教徒は、社会的ルールを破る必要がない

11月12日 支那人は、血族が集まって集団を作る

11月14日 支那では、宗族しか頼りにならなかった

11月17日 支那人には、仲間を助ける、という発想がない

11月19日 朝鮮では、儒教は消滅した

11月21日 新羅は民族国家ではなかった

11月24日 南北朝鮮が、対等な関係で統一されることはない

11月26日 日本は、朝鮮を相手にすべきではない

11月28日 アメリカと西欧は、基本的に似ている

12月1日 バラモン教の信用が落ちてきた

12月3日 インドに行けば、日本人は下層民扱いを受ける

12月5日 これから、宗教の違いが重要になる

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