北朝鮮の核開発問題がここまで大騒ぎになった原因の一つは、日本の態度にあります。日本が核兵器を持ち、北朝鮮に対して「もしも日本を核攻撃したら、百倍返しにするぞ」と言えば、問題の多くは解決されてしまいます。また支那やロシアからの攻撃に対しても、日本の核武装は大きな抑止力を発揮します。
「戦争が嫌だったら、軍備をしっかりせよ」ということを多くの優れた人たちが言っていますが、まさにその通りです。核兵器で攻撃されたくなかったら、日本もしっかりと核武装すべきなのです。
トランプさんは、大統領選挙に勝った後、「日本や南朝鮮も核を持てばいいじゃないか」と言いましたが、直後に周囲からの圧力でその発言を撤回しました。冷戦終了後の1992年に、アメリカの支配層は、日本とドイツに核兵器を持たさないという方針を再確認しました。トランプさんが発言を撤回したということは、今でもこの方針が変わっていないということです。
トランプさんが大統領になってから、何人かのアメリカの政治家や学者が、「日本は核武装すべきだ」と発言していますが、それがアメリカ政界の主流になっていると、軽々しく考えてはならないと思います。
日本が核武装したらその威力は、北朝鮮とは比較にならないでしょう。支那やロシアの核戦力よりも強力になるかもしれません。過去に何度か、日本政府は核兵器を持つことを容認するようにアメリカと交渉しましたが、アメリカはウンと言いませんでした。日本は基本的にアメリカにとって潜在的なライバルなのです。
今度のトランプ大統領と金委員長との首脳会談の結果がどうであれ、日本は核武装を真剣に考えなければなりません。
日本が核武装しそうになったら、アメリカは日本に強力な圧力をかけてくると思った方がよさそうです。北朝鮮の核武装で世界はこれだけもめているのですから、日本が核武装しようとしたらもっと大きな騒動になるでしょう。
日本が普通の国になる道のりは、非常に険しいと言わざるを得ません。
以下はひと続きのシリーズです。
4月8日 5月に、トランプ大統領と金委員長が首脳会談をすることになった
4月9日 トランプ大統領は、とりあえず習近平に北朝鮮を抑えさせようとした
4月10日 トランプ大統領は、支那を外して直接北朝鮮と交渉し、核を放棄させようとしている
4月11日 最近まで、アメリカ人は支那をかわいそうな国だと思っていた
4月13日 支那は豊かになることによって自由な社会を作る、とアメリカ人は勘違いした
4月14日 支那に買われたアメリカの政治家やマスメディアは、今後もトランプ大統領に反対し続けるだろう
4月19日 アメリカと支那の冷戦がはじまると、支那が日本に仕掛ける宣伝戦はもっと激しくなる
4月20日 今のままでは、日本は支那の宣伝戦に耐えられそうにない
4月21日 日本は明治になるまで、支那の宣伝戦を経験しなかった
4月22日 日本人も外国人も同じ人間である、と思い込む習性が日本人にはある
4月24日 大乗仏教の影響で、日本人はウソの宣伝戦に騙されやすい
4月25日 支那の宣伝戦は、「国家は悪いことをする」と考える日本人の弱点を突いてくる
4月29日 憲法の本質的な議論を60年間避け続けてきたツケを、今ごろ払っている
5月1日 北朝鮮の核開発リスクは、従来からあるリスクにもう一つ追加されただけ