トランプ大統領は、とりあえず習近平に北朝鮮を抑えさせようとした

昨年10月ぐらいまで、アメリカは北朝鮮を脅していましたが、11月にトランプ大統領が北京を訪問した時点から、少し様子が変わってきました。この時にトランプ大統領は、「北朝鮮の核開発問題を何とか解決してほしい」と習主席に依頼し、習主席もそれを約束しました。

昔から大国の間には「縄張り」があって、その縄張りの中にある小国を仕切って問題を起こせないようにする慣習があります。トランプさんは、「北朝鮮は支那の縄張りの中にあるのだから、お前がちゃんとおとなしくさせろ」と要求しました。そのように言われれば、習近平さんも受けざるを得ないわけです。もしも支那が北朝鮮をおとなしくさせることに失敗したら、支那はアメリカや日本に対してその縄張りを主張できなくなります。

多くの日本のマスメディアは、トランプ大統領が習近平にかなりきついことを言ってくれるだろう、と期待していました。ところが北京でのトランプ大統領の様子を見て、「トランプ大統領は、巨額の商談で骨抜きになってしまった」とがっかりしていました。

しかし国際政治の専門家たちは、マスメディアとは全然違う見方をしていました。

1、トランプ大統領は、「支那は、縄張り内にある北朝鮮を抑えつけて核開発を中止させる責任がある」と考えている。彼は支那がどこまでやるかしばらくは様子を見ているだろうが、支那はおそらく北朝鮮を抑え込むことができないだろうし、やる気もないだろう。

2、トランプ大統領は、3か月ぐらい支那の様子を見ているだろうが、支那は大したことはできないはずだ。習近平が約束を守らないのであれば、トランプ大統領は支那を無視して直接北朝鮮を抑えにかかるだろう。

3、トランプ大統領は、かねてから支那を第一の敵と考えている。支那はアメリカの技術を盗み、輸出に補助金を出しているなど不正な手段でアメリカ利益を得ているからである。習近平が約束を守らないことがはっきりした段階で、支那に非常に厳しい態度をとり経済的に疲弊させようとするだろう。まずは経済的に苦しめることで、軍事力や政治的影響力を弱めようとするだろう。

私は、このような専門家の見立てが当たるかどうか、様子を見ていました。

以下はひと続きのシリーズです。

4月8日 5月に、トランプ大統領と金委員長が首脳会談をすることになった

4月9日 トランプ大統領は、とりあえず習近平に北朝鮮を抑えさせようとした

4月10日 トランプ大統領は、支那を外して直接北朝鮮と交渉し、核を放棄させようとしている

4月11日 最近まで、アメリカ人は支那をかわいそうな国だと思っていた

4月12日 支那人は、昔からアメリカの世論を操作していた

4月13日 支那は豊かになることによって自由な社会を作る、とアメリカ人は勘違いした

4月14日 支那に買われたアメリカの政治家やマスメディアは、今後もトランプ大統領に反対し続けるだろう

4月15日 アメリカ軍は、支那軍に勝てない

4月16日 毛沢東は、支那の伝統的な皇帝そのもの

4月17日 支那人の戦いは、宣伝戦である

4月18日 アメリカと支那の間で、冷戦がはじまりそうだ

4月19日 アメリカと支那の冷戦がはじまると、支那が日本に仕掛ける宣伝戦はもっと激しくなる

4月20日 今のままでは、日本は支那の宣伝戦に耐えられそうにない

4月21日 日本は明治になるまで、支那の宣伝戦を経験しなかった

4月22日 日本人も外国人も同じ人間である、と思い込む習性が日本人にはある

4月23日 日本と支那の文化には、共通点があまりない

4月24日 大乗仏教の影響で、日本人はウソの宣伝戦に騙されやすい

4月25日 支那の宣伝戦は、「国家は悪いことをする」と考える日本人の弱点を突いてくる

4月26日 日本は、精神的な再武装をしなければならない

4月27日 日本の安全保障問題には、いくつかのタブーがある

4月28日 日本国憲法は、ハーグ陸戦条約違反

4月29日 憲法の本質的な議論を60年間避け続けてきたツケを、今ごろ払っている

4月30日 核兵器を持つことの重大さを、私は実感した

5月1日 北朝鮮の核開発リスクは、従来からあるリスクにもう一つ追加されただけ

5月2日 大きな抵抗に遭うだろうが、日本は核武装すべきである

5月3日 自国を自力で守る、というのが世界的な常識

5月4日 アメリカでは軍人が大統領になっている

5月5日 大乗仏教の発想が日本の安全保障の障害になっている

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

フォローする