日本人は、奈良時代になる前から支那と国交がありませんでした。従って、留学生や商人たちが個人的に狭い範囲で支那人と接触する以外に、支那人が何を考えているのか、国家としての支那がどのように行動するのかを知るチャンスがありませんでした。
その結果、はっきりと支那の文献に書いてあることでも日本にない習慣・考え方を日本人は実感することがありませんでした。そのために、「支那人はこういうことをするのだ」という知識が広まることも、ありませんでした。
その例のひとつが、支那人は人肉を食べる、という事実です。『史記』や『資治通鑑』などの歴史書のいたるところに、支那人が人間の肉を食べた、という記載があります。孔子が人肉の塩辛を食べたことをほのめかしている記載もあります。日本人が良く知っている『孫悟空』や『水滸伝』、魯迅の『阿Q正伝』にも人肉を食べる場面があります。
昔から日本人は支那の文献を読み、支那人が人肉を食べる、という文章を読んでいます。ところが、多くの日本人はこれを読み飛ばすだけで、日本人全体の知識にならないのです。私は子供の頃から支那に関するエピソードをたくさん読みましたが、「支那人は人肉を食べる」という文章を最近まで読んだことがありませんでした。
明治になってから日本人は支那に旅行するようになり、市場で人肉が売られているのを見て驚きました。戦前は、支那人が人肉を食べるということを知っている日本人がいました。
ところが戦後になると、何を遠慮したのか、このことを言う人がいなくなりました。そして、「支那人が人肉を食べるというのは、白髪三千丈のたぐいの比喩ではないか」と考えてしまうわけです。
日本人には、「日本人も支那人や朝鮮人も、同じ人間であり考えることに違いはない」と思い込む習性があります。日本人が宣伝戦をしないので、支那人や朝鮮人もそれをしないだろうと勝手に思っています。
南朝鮮政府と朝日新聞が合作して垂れ流した、「日本軍が朝鮮娘を強制的に性奴隷にした」というウソを多くの日本人は真に受けていました。国家や大新聞ともあろうものがウソをつくはずがない、と考えていたのです。
以下はひと続きのシリーズです。
4月8日 5月に、トランプ大統領と金委員長が首脳会談をすることになった
4月9日 トランプ大統領は、とりあえず習近平に北朝鮮を抑えさせようとした
4月10日 トランプ大統領は、支那を外して直接北朝鮮と交渉し、核を放棄させようとしている
4月11日 最近まで、アメリカ人は支那をかわいそうな国だと思っていた
4月13日 支那は豊かになることによって自由な社会を作る、とアメリカ人は勘違いした
4月14日 支那に買われたアメリカの政治家やマスメディアは、今後もトランプ大統領に反対し続けるだろう
4月19日 アメリカと支那の冷戦がはじまると、支那が日本に仕掛ける宣伝戦はもっと激しくなる
4月20日 今のままでは、日本は支那の宣伝戦に耐えられそうにない
4月21日 日本は明治になるまで、支那の宣伝戦を経験しなかった
4月22日 日本人も外国人も同じ人間である、と思い込む習性が日本人にはある
4月24日 大乗仏教の影響で、日本人はウソの宣伝戦に騙されやすい
4月25日 支那の宣伝戦は、「国家は悪いことをする」と考える日本人の弱点を突いてくる
4月29日 憲法の本質的な議論を60年間避け続けてきたツケを、今ごろ払っている
5月1日 北朝鮮の核開発リスクは、従来からあるリスクにもう一つ追加されただけ