近年、「女系天皇」の是非を巡る議論が活発になっています。「女系天皇」と「女性天皇」は違います。女系天皇とは、内親王(天皇陛下の御嬢さん)が一般男性と結婚し、その間に生まれた子供が、天皇陛下になる場合を言います。
もうじき徳仁(なるひと)皇太子殿下が天皇陛下におなりになりますが、その御嬢さんが愛子内親王です。愛子内親王が将来天皇陛下におなりになるとしたら、「女性天皇」ということになります。天皇陛下を父親に持つ女性が天皇になられたことは、歴史上何回かあります。
愛子内親王が一般の男性と結婚して、その間に生まれたお子さんが天皇になられたら、それが「女系天皇」です。そのお子さんが男性であったとしても「女系天皇」です。日本の歴史上、女系天皇の例はありません。
日本人は、家系は父親から息子に代々伝えられるものだ、と思っています。実際には養子によって血縁が断絶していることが多いのですが、観念的にはあくまでも父親から息子に伝えられるものです。関西の商人の家では、優秀な番頭と実の娘を結婚させて跡を継がせることが多いですが、養子という体裁にしています。
天皇家でも何度か養子を迎えていますが、天皇陛下の親王(息子)又はその子孫に限定されていて、父方の先祖が天皇家以外の血筋ということはありません。
女系天皇容認論は、たとえ父親が天皇家の血筋でなくても、母親を通して天皇家の血筋を受け継でいるのだから良いという考え方です。すなわち男女同権を主張しているわけです。
要するに女系天皇容認論というのは、男女平等の主張を皇室に持ち込もうという議論です。ただしこれは中途半端であって、人間の平等を言うのであれば、天皇陛下の血筋にこだわるのがおかしいわけで、「一般庶民から天皇陛下を選ぶべきだ」ということになるはずです。さらに過激に、外国人を天皇陛下にすることも、この理屈からはありえます。
以下はひと続きのシリーズです。
12月21日 アメリカと日本のマスコミは、トランプ大統領の当選を予想できなかった
12月22日 隠れトランプの存在によって、マスコミが選挙予想を外した
12月23日 第二次世界大戦ごろからアメリカのグローバル化が始まった
12月24日 グローバル主義者は、固有の文化や習慣を破壊して均一の世界を作ろうとした
12月26日 アメリカは、また人種差別をするようになるだろう
12月27日 アメリカの支配層が総がかりでトランプの邪魔をした
12月30日 アメリカと日本のグローバル主義は、発想の基が違う
12月31日 アメリカのグローバル主義者は、人種・宗教差別は目的に反する、と考えている
1月5日 日本国憲法の男女平等の規定は、アメリカ占領軍が作った
1月8日 イギリスの王位継承法の改正に影響されて、女系天皇容認論が出てきた