2016年11月に行われたアメリカの大統領選挙は、予想外の連続でした。2015年6月にトランプさんが出馬表明した時は、みんな「泡沫候補がまた一人出てきた」と思っただけでした。
彼の選挙演説中の「暴言」をマスコミが大喜びで取り上げ、「これでトランプも終わりだ」と何度も騒ぎましたが、そのたびに彼の人気が高まりました。そしてマルコ・ルビオ、テッド・クルーズ、ブッシュ・ジュニアなどの本命を次々に撤退に追い込み、2016年7月には、共和党の大統領候補に指名されました。
そして11月の本番の選挙では、大多数の予想を裏切ってトランプさんが当選しました。今から2年前のことなどで当時のことを記憶されている方も多いと思いますが、日本のテレビや新聞は、例外なく民主党のヒラリー・クリントンの当選を予想していました。
日本のマスコミはアメリカの大手のテレビや新聞の言っていることをおうむ返しに伝えているだけですから、アメリカの大手マスコミの予想が外れたということです。アメリカ国内には、真剣に調査して正確な予想をしていたところもあったようですが、日本のマスコミは全てこれらを無視していました。
私はこの選挙に強い関心を持っていて、元NHK記者の木村太郎や国際政治学者の藤井厳喜などトランプ大統領の当選を当てた人の予想を見ていました。従って選挙の少し前には、トランプが当選するのではないか、と考えるようになっていました。
選挙期間中、テレビでは選挙演説会場での両候補を映し出していましたが、どちらの候補の会場にも支持者がいっぱい詰めかけて熱気があふれているように見えました。ところが選挙後に分かったのですが、ヒラリー候補の会場はガラガラだったのに対し、トランプ候補の会場は本当に満員だったのです。
アメリカのテレビ局は、意図的にこの会場の混み具合を隠ぺいしていました。日本のテレビ局はアメリカの画像をそのまま映していただけですが、彼らはこの隠ぺいに気がつかなかったのでしょうか。アメリカに取材に行って自分の眼で確かめなかったのでしょうか。
私は、日本とアメリカのマスコミの劣化を如実に感じました。
以下はひと続きのシリーズです。
12月21日 アメリカと日本のマスコミは、トランプ大統領の当選を予想できなかった
12月22日 隠れトランプの存在によって、マスコミが選挙予想を外した
12月23日 第二次世界大戦ごろからアメリカのグローバル化が始まった
12月24日 グローバル主義者は、固有の文化や習慣を破壊して均一の世界を作ろうとした
12月26日 アメリカは、また人種差別をするようになるだろう
12月27日 アメリカの支配層が総がかりでトランプの邪魔をした
12月30日 アメリカと日本のグローバル主義は、発想の基が違う
12月31日 アメリカのグローバル主義者は、人種・宗教差別は目的に反する、と考えている
1月5日 日本国憲法の男女平等の規定は、アメリカ占領軍が作った
1月8日 イギリスの王位継承法の改正に影響されて、女系天皇容認論が出てきた