アメリカでは、1933年の大統領選挙で現職のフーバー大統領が破れ、民主党のフランクリン・ルーズベルトが大統領になりました。彼の側近やブレインには、社会主義者が多く、ソ連のスパイも混じっていました。
アルジャー・ヒスは、国務長官上級補佐官で、ルーズベルトに従ってヤルタ会談に出席するほどの重要な側近でした。また、ハリー・デクスター・ホワイトは財務省次官補でした。最近公開された「ヴェノナ文書」によって、上記二人はソ連のスパイだったことが明らかになっています。
「ヴェノナ計画」というのは、アメリカとイギリスの情報機関が協力して行ったプロジェクトで、アメリカ国内のソ連のスパイとソ連情報機関との間の暗号交信を解読していました(1937年~1980年)。その内容が「ヴェノナ文書」で、1995年に公開されました。
第二次世界大戦後間もない1948年に、上院議員のジョセフ・マッカーシー(1908年~1957年)は、アメリカの政治家・軍人・俳優など多くの有力者が社会主義者だと摘発した「赤狩り」を始めました。
マッカーシーの強引なやり方に対する反発が強く、容疑もほとんどがでっちあげだと思われていました。ところがヴェノナ文書が公開されたことにより、マッカーシーの告発のほとんどが本当だったということがわかりました。
なお、マッカーシーに協力してソ連のスパイの摘発を行ったのが、俳優のロナルド・レーガンでした。彼は大根役者だったと評価されていますが、マッカーシーに協力したことによって共和党と関係するようになり、最後にはアメリカの大統領になりました。
蒋介石もアメリカの政界に盛んに工作活動を行い、アメリカの政界を反日にすることに成功しました。最近でも、ロシアや支那は大統領選挙に盛んに干渉し、それがアメリカで大きな問題になっています。アメリカは昔から、外国の工作に対して極めて「脇が甘い」のです。
以下はひと続きのシリーズです。
11月30日 大恐慌後、国際貿易は高関税政策によって半減した
12月1日 ヒトラーは、公共投資を大規模に行って経済を立て直した
12月3日 社会主義というのは、何が正しいかを国家が決める、という考え方
12月14日 プロイセンは、国民を一人前の市民として扱わなければならなくなった
12月19日 マルクスは、ヘーゲル哲学を進化させて社会主義思想を生み出した
12月21日 労働組合所属の熟練労働者の賃金が、中産階級より高くなった
12月24日 大企業と組合は、社会主義の考え方を利用して市場の独占を図った
12月26日 ドイツはもともと社会主義思想が強かったから、ヒトラーは公共投資をできた