日本は、核融合式原発の実験炉を試作中

実は、日本とEUは、原材料である重水素を熱して1億度にする技術をすでに持っています。そして今は、核融合実験炉(ITERイーター)をフランスに建設中です。これは日・EU・米など7か国の共同事業で、2027年に完成予定です。このITERで核融合が出来ることが実証されれば、あとは各国が核融合発電所を建設することになります。

日本は2035年に実験用の50万KWHの能力を持つ核融合発電所を2兆円で建設する予定です。50万KWHは、普通規模の火力発電所と同じ発電能力です。その後、2050年ぐらいから、実用の核融合型発電所の建設を開始します。1基5000億円ぐらいになりますが、この発電コストは、1KWH当たり7円ぐらいになりそうです。石炭火力発電の9.3円、太陽光発電の15~16円よりも安いです。

このように、太陽光発電や風力発電よりもはるかに優れている発電方式が20年後には実現する予定です。しかし、このことを多くの人が知らないのが残念です。このことを知らずに、脱炭素に焦って日本の経済を潰すような愚かなことをしてはなりません。

なお、核融合炉の技術的なことを、専門家の受け売り(慶応大学 岡野教授)で説明すると、次のようになります。太陽は、普通の水素を核融合させて熱を放出しています。太陽表面の重力は大きいのでこれが可能ですが、地球上では太陽並みの重力は作れないので、無理です。重水素は、5億度に熱すると核融合を始めますが、いまは5億度に熱する技術がありません。

三重水素は1億度で核融合します。三重水素は自然界に存在しませんが、海水中の二重水素を核融合炉の中で熱することによって作ることができます。この三重水素を炉の中で熱してプラズマ化し、磁場を作ってそのプラズマが外部に漏れないようにします。その結果核融合が起きるのです。

核融合炉に必要な個々の技術や素材は、どれも既存のものを利用できます。しかし、これらの技術を組み合わせるのが難しいとのことです。しかし、この技術開発に携わっている研究者たちは、その実現に楽観的です。

国連が推進している脱酸素対策には、おかしなことが多いです。しかし、これをバネにして核融合式発電などを行って、日本のエネルギー自立を達成すべきと思います。

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