気候変動に関する国際会議は、仕組みがややこしいので、まずは条約や組織の説明を簡単にします。
この問題は国連が主導しています。1994年に国連が「気候変動に関する国際連合枠組条約(UNFCCC)」を作りました。現在、197か国が署名しています。
この条約は「枠組み条約方式」を採用しています。本条約は抽象論を規定するだけにして、具体的な規制は、あとから議定書の形で決めようという形式です。1997年に採択された「京都議定書」がその一例です。
加盟国を先進国と開発途上国に分け、先進国は途上国がCO2の排出を削減できるように技術や資金を供与することになっています。インドや中国などの途上国は、「先進国のために製品を作っており、その途中でCO2を排出せざるを得ない。先進国のためにCO2を排出しているのだから、先進国は途上国が削減するのを技術や資金で援助しなければならない」という理屈です。つまり、「気候変動に関する国際連合枠組条約」は、利権構造になっているのです。
この条約の締約国が集まる会議を、「気候変動枠組条約締約国会議(Conference of the Parties、COP)といい、毎年開かれます。今年イギリスで開かれたのが、26回目のCOP26です。
「京都議定書」について、説明します。
第3回目の締結国会議(COP3)が、1997年に京都で開かれました。ここでは、先進国だけがCO2削減を行うことに決まりました。下記は、1990年を基準にして、2008年~2012年に実現すべき削減率です。
EU15か国 ―8%
日本 ―6%
NZ、ロシア ―0%
ノルウェイ +1%
オーストラリア +8%
アイスランド +10%
CO2排出量を削減するはずなのに、ノルウェイ、オーストラリア、アイスランドなどは増やしても良いことになっていますが、なんでこんなことになったのか、よくわかりません。アメリカは最初から批准していません。
以下はひと続きのシリーズです。