アメリカは脱炭素一辺倒ではない

国連が頑張っているのに、各国首脳は地球温暖化対策に腰が引けています。それにはいくつかの理由があります。

気温が産業革命前から2度以上あがったとしても、それが自国にどのような不都合をもたらすのか良く分からない、ということです。北極のシロクマが絶滅しても、各国の首脳にはあまり関係がありません。自国の農業はどうなるのか、国民の健康状態はどうなるのか、ということに関して具合的なことがはっきりしないのです。

CO2排出を削減するということは、その国の産業構造を変えるということです。そのために莫大な費用がかかりますが、それをどのようにねん出するのか、このような出費に国の経済が耐えられるのか、という問題も出てきます。また失業者も出てきますが、これをどうするのか、という問題もあります。

習近平は、COP26を意識してCO2排出の削減を指示しました。その結果、各地の火力発電所が操業を抑えたために、中国では電力不足で大変なことになっています。中国の電力不足は様々な原因が重なったものですが、習近平がCOP26に向けて格好をつけようと考えたことも、原因の一つです。

気候変動対策は、アメリカでは比較的オープンに議論されています。気象学者や地球物理学者たちが国会で証言をし、マスコミも様々な学説を報道しています。その結果、国内が気候変動対策推進派と慎重派に分かれています。

共和党は、国連の提案に懐疑的で、トランプ大統領などはパリ協定から脱退してしまいました。民主党は国連の提案に積極的で、バイデン大統領は就任直後にパリ協定への復帰を宣言しました。アメリカは、共和党が政権を握ったり、世論が大きく変化したりしたら、またパリ協定から離脱する可能性があります。

日本のマスコミは、CNNなどCO2削減大賛成のメディアの報道をコピーするだけなので、アメリカにはCO2削減対策に消極的な者が多くいる、ということを日本人はよく知りません。日本は国連主導の温暖化対策を、まずは良く研究することが大切です。

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