政府が思い切って基幹技術の開発の主体に

高度な技術開発には莫大な開発費と時間がかかり、民間企業に任せっきりにすれば外国との開発競争に負けてしまうので、政府が少なくとも基礎研究の部分は行わなければなりません。

しかし最近の日本は、この部分が弱いです。30年前、日本は半導体の世界シェアの半分を占めており、外国政府は日本に追いつこうと、企業に対して盛んに技術開発の支援を行っていました。ところが日本政府はこれを民間企業が自力でやることだと考えて放置したのです。その結果、今では日本のシェアは10%以下になりました。

新規エネルギー開発競争も、今のままであれば日本は負けます。このようなことになったのは、日本人が「自由」の意味を勘違いしているからです。日本語の「自由」とは「勝手気ままに振舞うこと」を容認することです。だから「自由主義経済」を、民間企業がするべき分野には一切口を出さないことだ、と思い込んでいます。

しかし明治初期に日本人が「自由」と訳した元の言葉であるFreedomやLibertyは、意味が違います。国家は国民を守るのが役目だ、という考え方もFreedomに含まれています。国家は敵と戦って国民を守らなければなりません。これと同じように、民間企業の技術開発を支援して、国民の豊かな生活を守るのも、Freedomなのです。

先端技術開発に政府が支援するのは、社会主義政策ではありません。社会主義政策は、個々の企業の活動を規制することです。しかし先端技術支援は個々の企業に指示をするというのではなく、新規産業分野全体を活性化させるのが目的です。日本政府は、新しいエネルギー技術を積極的に開発しなければなりません。

国連は、CO2削減運動を主導することによって、各国に大きな政府を作らせようとしています。また国連への主権移譲をも考えています。これは世界の社会主義化とグローバル化を狙っているということです。

CO2削減の難しさや莫大なコストがかかることが分かるにつれて、国民の多くは国連の意図に気づく時がくると思います。しかしその時に、すべてを途中で放り出すのではなく、研究開発を継続していくことが重要です。その結果として、日本はエネルギーの自立が出来、主権を回復することができます。

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