慰安婦合意で日本が払った10億円は、手切れ金

朝鮮では、派閥が交代すると新しい政権は前の政権がしたことをすべて否定します。これが朝鮮の伝統文化なのです。従って、南朝鮮の前大統領の朴槿恵が日本と結んだ従軍慰安婦に関する最終合意を、新しい大統領の文在寅は伝統どおりに破ろうとしています。

このような朝鮮の伝統芸を、日本政府も当然ながら承知していました。従って、従軍慰安婦に関する最終合意も南朝鮮は必ず破ってくる、ということを安部首相以下の政府高官はみな分かっていました。

日本政府の閣僚の間では、日本が払った10億円を「手切れ金」と呼んでいます。この10億円によって従来の腐れ縁を清算し、日本は以後南朝鮮への特別の配慮をしない、と決めていたのです。最終合意に関する日本と南朝鮮のやりとりは、こういう文脈に沿って理解しなければなりません。

予想通り、南朝鮮が慰安婦に関する最終合意を破ろうとしているので、阿部総理も南朝鮮政府のオリンピック開会式出席の要請を無視しようとしました。多くの日本人も阿部総理の考えを支持していました。

ところが阿部総理が、急にオリンピックの開会式に参加する、と言い出しました。これは日本が手切れ金を払った時の筋書きに反する行為です。そこで多くの日本人が「阿部総理の開会式出席に反対」と主張しているわけです。

阿部総理が開会式に出席すれば、南朝鮮は「日本は慰安婦合意の撤回を受け入れた」と受け取るのではないか、と多くの人が心配しています。私も同じく心配しています。阿部総理は、「合意を着実に実行するように、文大統領に言っておく」と発言していますが、このメッセージが先方にきちんと伝わる保証はありません。

ではなぜ、阿部総理は急に冬季オリンピックの開会式に出席することを決めたのでしょうか。それはここ一カ月ぐらいの朝鮮半島情勢の変化を見れば、想像がつきます。

文大統領は、オリンピック開催中に予定されていた米韓合同軍事演習の延期をアメリカに要請し、アメリカはそれを了承しました。その後、文大統領は北朝鮮を引きこんで、オリンピックを南北共催のようにしてしまいました。ピョンチャン・オリンピックがピョンヤン・オリンピックになりつつあります。

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