日本が特殊なのは、大乗仏教という特殊な宗教があるから

これまで説明したように、「国家は悪いことをする」という発想は大乗仏教の教義から生まれました。多くの日本人は大乗仏教の影響を受けて、「国家の指導者は修業の足りない者ばかりだ。だから国家は悪いことをする」と思い込んでいます。

彼らは何とかして、「国家は悪いことをする」ということを証明しようとします。たまたま「日本軍は嫌がる朝鮮娘を無理やり引っ張ってきて、性奴隷にした」というデタラメを書いた本を見つけると、その内容を検証もせずに喜んで宣伝しました。

「国家は悪いことをするから、自衛隊を海外に派遣したらまた侵略戦争をする」とも考えています。だから自衛隊をたとえ邦人救出のためとはいえ海外に派遣してはいけないわけで、どうしてもその必要があるならば、事前に相手国の了解が必要だ、と考えるのです。

「国家は悪いことをする」という考え方は、日本以外の民族にもあります。しかし西欧や支那の宗教(キリスト教、儒教など)には出家という発想がなく、聖職者も俗世間で生活しています。従って西欧や支那では、現実に支配者がやっていることに対して批判をします。

ところが日本の場合は、社会から離脱し山の中で生活している者の視点で国家を批判します。そのために批判が現実的・具体性でなく、浮世離れしているのです。

大乗仏教は実質的に日本にしかないので、この宗教から生まれた「国家は悪いことをする」という浮世離れした考え方も日本にしかありません。大乗仏教は非常に特殊な宗教で、この考え方は海外では通用しません。日本人はいい加減にこの事実に気づくべきです。そして日本の国益をこれ以上害することをやめるべきです。

「大乗仏教は昔から日本にあったのに、国家は悪いことをする、という考えは戦前にはあまり強くなかったではないか」という反論をされる方が、おられるかもしれません。

明治維新は神道の思想によって成し遂げられたため、戦前は神道の考え方が強く、仏教の考え方があまり社会の表面に出てこなかったのです。神道は日本固有の宗教ですが、その教義はキリスト教とよく似ています。従って戦前の日本は、欧米と同じような発想をしていました。欧米の考え方を受け入れて近代国家を作ることができたのも、このためです。

敗戦後に、「日本を戦争に引きずり込んだのは神道の思想だ」ということになってしまい、神道の影響力が後退しました。その分、仏教の影響力が日本の社会で強くなったのです。

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