今の自衛隊法では、海外にいる日本人を十分守れない

およそ近代国家であれば、自国に合法的に在留している外国人を保護する義務があります。例えば、あなたが南朝鮮のソウルに観光に行くとき、空港の入国審査官にあなたのパスポートを提出するでしょう。

そのパスポートには、「日本国民である本旅券の所持人を通路故障なく旅行させ、かつ、同人に必要な保護扶助を与えられるよう、関係の諸官に要請する。日本国外務大臣 捺印」と書かれています。そのパスポートに入国係官がスタンプを押したということは、南朝鮮政府は、あなたの安全を確保する義務を負ったということです。

南朝鮮国内が戦場になって日本人の安全を確保できなくなった時に、日本が自衛隊を派遣して日本人を救出するということは、南朝鮮の義務を肩代わりしてやるということでもあり、南朝鮮政府は日本に感謝すべきことなのです。それなのに南朝鮮政府がこれを認めようとしないというのは、筋が通りません。

一方、まだ戦争が起きていない段階で南朝鮮政府に自衛隊の救援出動の承認を求める、というのもおかしな話です。「戦争になったらあんたの国の軍隊は弱いから、すぐ負けるだろう。その時は日本の自衛隊が救出に行くから、いいね」ということです。こんなに相手の国をバカにした話もありません。

相手の国が戦争に巻き込まれ、そこに滞在している日本人を守ることができなくなった時点で、日本は独自の判断で自衛隊を派遣し、その航空機・車両・艦船を使って日本人の救出を図るべきなのです。今の自衛隊法の、「相手の国の了解をとりつけなければならない」という規定は非現実的で筋が通りません。

外国に在留している自国民をどのように守るか、というのは昔からある問題でした。自国民が強力な近代国家に滞在している場合は、その国の警察と軍隊に自国民の保護を委ねても問題がありません。

しかし、政府が信頼できず治安も悪いということがはっきりと分かっている国に自国民が滞在してビジネスをしている場合は、自国の軍隊を派遣し自国の法律によって自国民を守るというのも一つの解決策です。これが「租界」です。

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