「Bチームが日本のタンカーを攻撃した」という説がある

タンカーがホルムズ海峡で攻撃されたすぐ後に、アメリカのポンペオ国務長官が、「イランの革命防衛隊がやった」と言い、証拠写真と称する不鮮明な動画を公開しました。イギリスのキャナハン外務大臣、サウジアラビアのサルマン王太子、UAEの指導者であるザイード王太子などもイラン犯人説を主張しました。

ここで注目すべきは、イスラム教を信仰するサウジアラビアやUAEがイランを非難しているということです。彼らにとって敵はもはやイスラエルではなく、イランなのです。サウジアラビアは中東戦争で、イスラエルと戦っていましたが、今ではイスラエルの参謀本部と情報を交換して対イラン戦に備えています。

イランのザリフ外務大臣は、「日本のタンカーへの攻撃は、Bチームによる妨害外交(Sabotage Diplomacy)だ」と言っています。Bチームというのは、アメリカのボルトン大統領補佐官(対外強硬派)、イスラエルのネタニヤフ首相、サウジアラビアのサルマン王太子、及びUAEのザイード王太子の四人を指しています。

「この四人は、自分たちの手で日本のタンカーを攻撃しながら、イランがやったように見せかけて、日本の安倍総理の仲介努力を妨害し、トランプ大統領にイランを攻撃するようにけしかけている」とザリフ外務大臣は、言っています。また、「安倍総理の訪問は歴史的なことだ」と評価しています。ザリフ外相は、トランプ大統領とBチームの四人を分けて考えていて、悪いのはBチームに限定しています。

このBチーム陰謀説に賛同する者がかなりいて、「ベトナム戦争やイラク戦争の時と同じだ」と言っています。

1964年、ベトナムのトンキン湾に停泊中のアメリカの駆逐艦が魚雷攻撃を受けるという事件が起こり、これを北ベトナムのしわざだと主張して、アメリカは本格的にベトナム戦争を始めました。後に、この事件はアメリカの自作自演だということが明らかになりました。

アメリカのチェイニー副大統領は、「イラクは大量破壊兵器を隠匿している」と主張してブッシュ大統領と議会を扇動してイラクと戦争を行いましたが、その後にこれはウソだったということがわかりました。他にもアメリカは、米西戦争(1898年)や大東亜戦争などを始める前にウソをついています。アメリカは、戦争をする前にウソをつく常習犯なのです。

以下はひと続きのシリーズです。

6月28日 「イラン核合意」は中途半端

6月29日 イランは本気でイスラエルに対抗している

6月30日 イランは、中東のリーダーになろうとしている

7月1日 ユダヤ人もアメリカ人も、同じように、神から約束された地に移住した

7月2日 アメリカの正副大統領は、聖書に書かれていることはすべて本当だ、と信じている

7月3日 中東で大戦争が起き世界を大災害が襲った後神の国が現れる、と多くのアメリカ人が信じている

7月4日 アメリカがイスラエルを支援しているのは、宗教的な理由から

7月5日 イランとアメリカの間を仲介できるのは、日本だけ

7月6日 アメリカとイランの対立は宗教対立である

7月7日 「Bチームが日本のタンカーを攻撃した」という説がある

7月8日 イランの革命防衛隊がタンカーを攻撃した可能性もある

7月9日 イランの安定は、日本にとって非常に重要である

7月10日 ハメネイ師は、安倍総理と今後も話し合いを続けることを望んだ

7月11日 イランとアメリカの主張には、それぞれ弱点がある

7月12日 イスラム教によって中東をまとめることは、できない

7月13日 聖書の預言がいつ起きるのかは、分からない

7月14日 神様を召使いにする考え方

7月15日 アメリカでは、外国人も意見を述べることができる

7月16日 日本もそろそろ他国の世論を誘導する技術を磨いたほうがいい