ユダヤ人もアメリカ人も、同じように、神から約束された地に移住した

なぜアメリカはイスラエルの肩を持つのか、ということを説明しなければなりません。これこそ宗教的な理由から来ています。「中東と言えば石油」ということで、アメリカが中東に介入するのは石油のためだという説明を耳にしますが、私はその理由はむしろ少ないと思います。シェールオイルが開発されたため、アメリカはすでに中東の石油に依存していませんが、いまだに熱心に中東に介入しています。

実は、アメリカ人は、自分たちの国をイスラエルと重ねて考えています。
ユダヤ人はパレスチナ(今のイスラエル)に住んでいましたが、飢饉のために3000年以上前にエジプトに移住しました。移民が嫌がられるのは何処でも同じで、ユダヤ人はエジプトで奴隷の扱いを受けるようになりました。

そこで神がモーゼに向かって「ユダヤ人を救い出してこい」と命令し、モーゼはエジプト王を魔術で脅して、ユダヤ人を取り返しました。モーゼはユダヤ人を大勢従えて約束の地であるパレスチナに帰り始めました。

モーゼと大勢のユダヤ人は、エジプト王の軍隊の追撃から逃れ、海(紅海)を渡り、荒れ野をさまよって、やっとのことで父祖の地であるパレスチナに帰り着きました。ところがそこには異民族が入り込んで住んでいたので、彼らと戦って皆殺しにし、やっと自分たちに約束された土地に安住できました。

アメリカ人は旧約聖書に描かれたこの話を自分たちの姿とダブらせました。アメリカ人もそのプロテスタントの信仰のゆえにイギリス王から迫害されていました。そこで、新大陸アメリカは、神が自分たちに与えた約束の地だと考え、海を渡り荒れ野をさまよい、先住民のインディアンを皆殺しにして、アメリカに住み着きました。

神がユダヤ人にパレスチナの地を与えたのと同じように、神はアメリカ人にアメリカの地を与えたと考えました。アメリカは「新しいイスラエル(パレスチナ)」なのです。このような経緯で、アメリカ人は、ユダヤ人に親近感を感じるのです。

ユダヤ人は、パレスチナに住んでいた異民族を神の命令で皆殺しにしたのだから、悪いことをしたとは全然思っていませんでした。アメリカ人も同じように、神の命令によって先住民であるインディアンを皆殺しにしたのだから、悪いことをしたとは考えていません。

以下はひと続きのシリーズです。

6月28日 「イラン核合意」は中途半端

6月29日 イランは本気でイスラエルに対抗している

6月30日 イランは、中東のリーダーになろうとしている

7月1日 ユダヤ人もアメリカ人も、同じように、神から約束された地に移住した

7月2日 アメリカの正副大統領は、聖書に書かれていることはすべて本当だ、と信じている

7月3日 中東で大戦争が起き世界を大災害が襲った後神の国が現れる、と多くのアメリカ人が信じている

7月4日 アメリカがイスラエルを支援しているのは、宗教的な理由から

7月5日 イランとアメリカの間を仲介できるのは、日本だけ

7月6日 アメリカとイランの対立は宗教対立である

7月7日 「Bチームが日本のタンカーを攻撃した」という説がある

7月8日 イランの革命防衛隊がタンカーを攻撃した可能性もある

7月9日 イランの安定は、日本にとって非常に重要である

7月10日 ハメネイ師は、安倍総理と今後も話し合いを続けることを望んだ

7月11日 イランとアメリカの主張には、それぞれ弱点がある

7月12日 イスラム教によって中東をまとめることは、できない

7月13日 聖書の預言がいつ起きるのかは、分からない

7月14日 神様を召使いにする考え方

7月15日 アメリカでは、外国人も意見を述べることができる

7月16日 日本もそろそろ他国の世論を誘導する技術を磨いたほうがいい

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