イランとアメリカの間を仲介できるのは、日本だけ

アメリカのトランプ政権は、国内の福音派から圧力を受けて、イスラエルを支援しています。その一環として、イスラエルに敵対するイランの弱体化を図っています。具体的にはイラン核合意を廃棄してイランに対する経済制裁を再開し、核開発を断念させようということです。

国連の常任理事国だけが核兵器を持てるという原則を振りかざすのであれば、イスラエルが核兵器を持っていることにアメリカが目をつぶっているのは、理屈にあいません。

イランの立場からすれば、これは中東内部での対立であって、アメリカは関係のない話です。第二次大戦時にイギリスが行った二枚舌外交も対立の原因になっていますが、これもアメリカは関係のない話です。アメリカは国内事情から、中東に介入してきたのです。

アメリカのやっていることにイランが納得しないのも当然です。案の定、安倍首相がアメリカとイランの仲介役として、イランの最高指導者であるハメネイ師と会談した時、ハメネイ師は安倍首相に対して、「トランプ大統領の言葉を信用しない。トランプ大統領には返事しない」と発言しました。

私はこのニュースを聞いた時、「そう簡単に仲介が成功するわけはないな」と思いました。トランプ大統領とハメネイ師の仲介役が出来るのは、日本しかいないのです。日本はイランとややこしい過去がないし、日本とアメリカは良好な関係を保っているからです。

ハメネイ師も、日本が貴重な仲介役であることは分かっているはずです。にもかかわらず安倍総理に、「トランプ大統領には返事をしない」と何とも無愛想なことを言いました。よほどアメリカの態度が腹に据えかねていたのでしょう。

日本がこの仲介役をあきらめるのは、いかにももったいないです。仲介が成功すれば、アメリカ・イスラエルとイランが戦うという最悪の事態を避けることが出来ます。

宗教的な考え方があらゆる民族の発想の根底にあります。日本はこの問題を仲介することを通して、日本人が重視する考え方は何かを世界中に知らしめることが出来ます。その結果、世界は日本をより深く理解することができます。

以下はひと続きのシリーズです。

6月28日 「イラン核合意」は中途半端

6月29日 イランは本気でイスラエルに対抗している

6月30日 イランは、中東のリーダーになろうとしている

7月1日 ユダヤ人もアメリカ人も、同じように、神から約束された地に移住した

7月2日 アメリカの正副大統領は、聖書に書かれていることはすべて本当だ、と信じている

7月3日 中東で大戦争が起き世界を大災害が襲った後神の国が現れる、と多くのアメリカ人が信じている

7月4日 アメリカがイスラエルを支援しているのは、宗教的な理由から

7月5日 イランとアメリカの間を仲介できるのは、日本だけ

7月6日 アメリカとイランの対立は宗教対立である

7月7日 「Bチームが日本のタンカーを攻撃した」という説がある

7月8日 イランの革命防衛隊がタンカーを攻撃した可能性もある

7月9日 イランの安定は、日本にとって非常に重要である

7月10日 ハメネイ師は、安倍総理と今後も話し合いを続けることを望んだ

7月11日 イランとアメリカの主張には、それぞれ弱点がある

7月12日 イスラム教によって中東をまとめることは、できない

7月13日 聖書の預言がいつ起きるのかは、分からない

7月14日 神様を召使いにする考え方

7月15日 アメリカでは、外国人も意見を述べることができる

7月16日 日本もそろそろ他国の世論を誘導する技術を磨いたほうがいい

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