「イスラエルに攻め込んだ敵軍が大地震で滅びた後、大災害が次々と起こる。苦難の時期が続いた後、神を信じている者だけが生き残り、イエス・キリストが再臨し、神の国ができる」という予言が聖書に書いてあります。
この予言を信じている7000万人の福音派は、「神の壮大な計画が成就する日は近い。自分も神の計画に参加して、早く実現させたい」と考えました。神の計画の第一段階は、ユダヤ人の国家ができることで、これは実現しました。次はイスラエルに攻め込んでくる敵軍をイスラエルが撃退することです。
だから福音派は選挙戦を通じてアメリカ政府に圧力をかけ、アメリカがイスラエルに外交的・財政的・軍事的に様々な援助をするように仕向けているわけです。在米のユダヤ人もアメリカ政府に対して、イスラエルを支援するように圧力をかけていますが、それよりもキリスト教徒の力の方がはるかに大きいのです。
アメリカがイスラエルを支援する主な理由は、中東に石油がたくさんあるからではありません。アメリカの建国の経緯からユダヤ人に親近感を抱いているからであり、聖書の予言があるからです。つまり、宗教的な理由からです。
こういうことが分かってくると、福音派のトランプ大統領がイスラエルを積極的に支持している事にも納得できます。彼は、イスラエルの首都がエルサレムであることを認め、アメリカ大使館をテルアビブからエルサレムに移すことを実行することしました。
エルサレムはユダヤ教の聖地であるだけでなくイスラム教やキリスト教の聖地でもあることから、多くの国は周辺のイスラム教国とイスラエルが紛争を起こすことを恐れて、エルサレムがイスラエルの首都であることを認めていません。それをトランプ大統領は、イスラエルの肩をもって強行したのです。
いま、イスラエルが最も敵視しているのがイランです。イスラエルが核兵器を持っていることは公然の秘密ですが、イランもその対抗上、核兵器の開発を急いでいます。そこでトランプ大統領は、イランが核開発できないようにするために、イラン核合意を一方的に破棄し、経済制裁を再開しました。アメリカだけが経済制裁するのではなく、日本などにもイランの石油を買うな、と圧力をかけています。
以下はひと続きのシリーズです。
7月1日 ユダヤ人もアメリカ人も、同じように、神から約束された地に移住した
7月2日 アメリカの正副大統領は、聖書に書かれていることはすべて本当だ、と信じている
7月3日 中東で大戦争が起き世界を大災害が襲った後神の国が現れる、と多くのアメリカ人が信じている
7月4日 アメリカがイスラエルを支援しているのは、宗教的な理由から
7月7日 「Bチームが日本のタンカーを攻撃した」という説がある
7月8日 イランの革命防衛隊がタンカーを攻撃した可能性もある
7月10日 ハメネイ師は、安倍総理と今後も話し合いを続けることを望んだ