日本国憲法は存在しませんが、それ以外の法律は有効です。だから、日本国憲法など成立しておらず無効なのだ、ということを広く日本人が認知してもパニックにあることはなく、道は大きく開けると思います。
そうなれば、国会で日本国憲法の無効を宣言しても良いし、急いでそんなことをしなくてもいいと思います。緊急事態が起きたら日本国憲法の規定など相手にせずに、必要な立法処置をしたらよいのです。このうちのどのやり方になるのかは、自然に決まると思います。
日本国憲法は、第9条以外にも多くの問題があります。その世界観・思想的背景が滅茶苦茶なのです。前文に「国政は国民の厳粛な委託に由来し、その権威は国民に由来し・・・」と書いていて、この原理は「人類普遍の原理だ」としています。
日本国憲法は、「国民主権」が人類普遍の原理だと主張しているわけです。そうであれば、古今東西を問わずにその原理が実践さえていたということです。縄文時代も2000年前の中国でも国民主権だったはずです。
アメリカの独立宣言は、「われわれは、以下の事実を自明のことと信じる。すなわち、すべての人間は生まれながらにして平等で あり、その創造主によって、生命、自由、および幸福の追求を含む不可侵の権利を与えられている」と書いています。国政の権威は神に由来すると宣言しているのです。
ヨーロッパの憲法もおおむね、国政の権威は神に由来すると考えています。例えば、アイルランド憲法の前文には、「すべての権威の源泉であり、また、われらの窮極の目的としての人類及び国家の行動の帰着点である至聖なる神の名において、われらアイルランド国民は、・・・」となっています。また、スイス連邦憲法は、「全能の神の名において!スイス国民とカントンは、神の創造に対する責任を自覚し・・・」となっています。
イスラム教諸国は軒並み、国政の権威はアラーの神に由来していると考えています。例えば、パキスタン・イスラム共和国憲法の前文には、「全宇宙に及ぼされる至高権は全知全能の神アラーにのみ属するゆえに、彼が述べる範囲内でパキスタン人民によって行使されるその権限は、神聖な信託である」となっています。
アメリカ・西欧・イスラム諸国は、「国政の権威は、神に由来する」と考えています。大日本帝国憲法は、「此レ皆皇祖皇宗ノ後裔ニ貽シタマヘル統治ノ洪範ヲ紹述スルニ外ナラス」とあって、国政の権威は日本の伝統からくると考えています。
アメリカ占領軍のスタッフは、日本国憲法のモデルをアメリカの独立宣言に求めました。しかし日本にはキリスト教の伝統がないので、これを使うわけにいきません。そこで、「国政の権威は国民に由来する」という意味不明の文言が出来たわけです。