日本国憲法は存在しないと分かったら、発想が自由になる

私は、憲法を改正する努力を否定しているわけではありません。日本国憲法が成立しているということを前提にして、第96条の改正条項に従って改正できれば、それでも良いと思っています。改正に際しては国民投票が行われます。多くの国民はその可否を投票という形で直接参加することになるので、「日本国憲法は存在している」という実感を国民は持つと思います。そうなった時に初めて、日本国憲法は成立するわけです。

しかし日本国憲法が改正される可能性は低い、と私は考えます。安倍晋三が首相だった時、日本の国会は両院とも与党が2/3を超えている時がありました。しかし、その時、安倍首相は憲法改正を言い出しませんでした。国民投票で過半数の賛同を得られる自信がなかったからでしょう。

日本国憲法が改正されずに時が経つと、日本は合理的な危機対応が出来なくなり、どうしようもないことになります。例えば、アメリカの議会が沖縄の防衛は日米安保の対象外だ、と決めたらどうなるかということです。

日本はなりふり構わず、中国からの攻撃に備えて、防衛力の増強に邁進しなければなりません。しかし、もしも日本国憲法が改正されていなければ、莫大な時間と費用を費やして、まずは憲法を改正しなければならないのです。

しかしこの時に、「日本国憲法など存在しないのだ。従って日本は軍事力を持ってはならない、などと言う制約はないのだ」ということが国民の常識になっていれば、日本は迅速に対応ができます。

だから日本の憲法上の問題点を克服するため最初に行うべきは、「日本国憲法など存在していないのだ」ということを日本人の常識にすることだ、と考えます。そうなれば、日本人は、「では日本の今の状態はどうなっているのだ」と考え始めるはずです。そして、ちゃんとした憲法を作ろうとし始めるはずです。

「日本国憲法無効説」に多くの日本人が賛同しないのは、憲法が否定されたら現実を規制している法律の根拠がなくなるので、多くの人はそのような不安定な事態を容認できないからです。だからさまざまな「日本国憲法無効説」は、どれもこのような不安を人々が感じることがないような工夫をこらしています。

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