日本のグローバル主義は、大乗仏教の平等から来ている

アメリカも日本も、徐々にグローバル化してきましたが、ではなぜグローバル化したのかと言えば、アメリカと日本で少し事情が異なります。

アメリカの場合、今から100年以上前にロシア革命が起きて、ソ連という史上初の社会主義国家が誕生しました。ソ連はアメリカを社会主義化しようとして盛んに工作を行い、アメリカ人の中にもソ連の宣伝を信じ込んだ社会主義者が出てきました。彼らがアメリカを徐々にグローバル化したのです。

一方、日本のグローバル主義の根底には、大乗仏教の教義が横たわっています。幕末に欧米列強が日本を武力で脅かしたときに、日本人は中国や朝鮮と連合して欧米の圧力を跳ね返そうとしました。

当時の日本は鎖国をしていて、中国人や朝鮮人の実態を全く知らず、書物からの知識だけで、彼らと日本人は同じだと勘違いしました。その根拠は、言葉・仏教・儒教など文化が共通しているからだ、ということです。この東アジア版のグローバル主義を、「大アジア主義」と言います。

実は、言葉・仏教・儒教が共通しているというのは全くの誤解です。詳しいことは過去のブログで詳しいことを述べているのでここでは繰り返しませんが、中国や朝鮮では仏教の勢力は微弱です。日本には儒教の考え方はありません。

この誤解の大本には、「すべての人間は、みな仏様の分身であり、全く同じで違いはない」という大乗仏教の教義があります。日本人は今でも強固にこの発想を持っています。そして、実際には日本と中国・朝鮮の文化が全く違うという事実を目の前で見せつけられても、その事実から目を背けています。以後200年近く、日本人はこの大アジア主義の影響を受け続けています。

戦後に日本を占領したアメリカ軍は、かなり社会主義とグローバル主義が強い占領政策を行いました。日本は戦前から社会主義化・グローバル化していましたが、アメリカの占領政策のために、さらに社会主義化・グローバル化しました。

そして時が経つにつれて、アメリカ製の社会主義とグローバル主義を、日本の大乗仏教で理解するようになりました。今の日本の社会主義とグローバル主義は、マルクス主義ではなく大乗仏教の教義から考えるとよく理解できます。

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