バイデン大統領は、国境の壁の建設を中止させた

アメリカのトランプ前大統領は、自国優先主義を主張していました。その具体策の一つとして、不法移民の侵入を阻止するためメキシコ国境沿いに壁を建設し始めました。しかしバイデン新大統領は、就任初日の1月20日に、この壁の建設の停止を命令する大統領令を出しました。さらに彼は、米国に居住する1100万人以上にのぼる不法移民に市民権を与える法案を作ろうとしています。このように、アメリカは自国優先主義とグローバル主義が激しく対立しています。

日本にも自国優先主義とグローバル主義の対立があります。1月に緊急事態宣言が出て国民は外出を自粛させられました。しかし政府は、外国人のビジネス目的の日本入国を制限しない方針でした。

これに対し国民から、「日本人は、たとえビジネスであっても出張を自粛しているのに、外国人を入国させるのはおかしい」と不満が噴出したため、政府は慌てて外国人の入国を原則制限することに方針転換しました。この件から、政府内部にはグローバル主義の勢力が強いことが分かります。

自国優先主義は自国とその国民を仲間と考え、その中でお互いに優先的に助け合おうという考え方です。一方のグローバル主義は、自国とその国民を優先しようとは考えません。時として、外国を自国より優先しようとする場合さえあります。

グローバル主義は、民族や国籍の違いだけでなく、人種や男女の差など一切の違いを認めない傾向にあります。LGBTという性的な少数派を差別してはならないという考え方も、男女の違いを認めない発想がさらに進んだ結果です。

自国優先主義もグローバル主義も、それぞれ宗教的・哲学的背景を持っています。従って、どちらが正しいのかを議論しても、平行線をたどるだけです。しかし、もっと現実的に、現在の制度から見たらどちらが正しいのか、を判断することはできます。また、どちらの方が自然か、という判断もできます。

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