トランプ大統領の行動は、予測可能

6月末に大阪でG20に出席したあと、トランプ大統領はかねての約束通り南朝鮮に行きました。4月に文大統領がホワイトハウスを訪れた時は2分しか会談しなかったぐらい、トランプ大統領は文大統領と話をしたくなかったのに、どういう風の吹き回しなのだろうと、誰もが不思議に思っていました。

そうしたら、やはり文大統領と会いに行ったのではなく、北朝鮮の金正恩と会談しに板門店に行きたかったのだ、ということが分かりました。直前にツイッターで相手に「会いたい」というなど、普通の政治家の感覚ではありません。

そこで、かねてからの「トランプ大統領は変人で、その行動は予測不能だ」という評価がより強固になりました。プロレスの会場で場外乱闘をやり、過去に4回も破産したという経歴も「トランプ変人説」の根拠になっています。

若いときのトランプさんのことを知っている人の話では、彼は非常に頭の良い、知的で話し方が丁寧な紳士だったそうです。どうやら彼は、変人のふりをする方が自分にとって有利だ、と中年になって判断したようなのです。

トランプさんは何をするか分からないと言う人は、トランプさんの研究が足りません。政治家としてのトランプさんは予測可能です。彼は2016年の大統領選挙の時に、「アメリカ人有権者とのドナルド・トランプの契約(Donald Trump’s Contract with the American Voter)」という選挙公約を公表しました。

「以下は、アメリカを再び偉大にするための私の100日行動計画である。これは、アメリカ人有権者と私自身の間の契約であり、正直さと責任感を回復し、ワシントンに変化をもたらすものである。私の任期の第1日目に直ちに私の行政は以下の事項を追求するであろう」と冒頭に書いています。

これを読めば、トランプ大統領が何をするのかは、明白です。