トランプ大統領は、内々では日米安保条約の破棄を話題にしているようです。軍事同盟はFreedomの考え方に基づいて、仲間が敵に攻め込まれたら、助太刀に駆けつける関係を言います。ところが日米安保条約では、日本はアメリカの助太刀に駆けつける場合が狭く限定されており、まともな軍事同盟ではありません。
トランプ大統領の眼から見ると、日米安保条約はいびつな傭兵契約です。傭兵契約の場合、目の玉が飛び出るほど傭兵料が高いのが普通です。なにしろ命を危険にさらしている商売だからです。さらに高度の軍事技術を開発する巨額な研究費についても応分の負担をするべきなのです。ところが日米安保条約の傭兵料は安く、アメリカ側の赤字になっています。
その一方で、日本はアメリカに基地を提供することによってアメリカの世界戦略に貢献しています。また日本はアメリカに優秀な整備技術を提供しています。今の武器はハイテク装備を満載しているので、日本の優秀な整備技術はアメリカにとって手放せない貴重なものになっています。目に見えない日本側の便宜提供を考えると、日本側はかなりの傭兵料を負担しているとも言えます。
結局、トランプ大統領の本心は、高額の傭兵料を払う傭兵契約か、軍事同盟か、のどちらかを選べ、と日本に迫っているのです。
歴代大統領の中に、日米安保条約に疑問を呈した大統領はいませんでした。それは大東亜戦争の時の日本軍が強かったからです。だから日本の敗戦後、アメリカは日本を弱いままにしておくことが大方針でした。そのためは、戦争が出来ないようにおかしな憲法まで日本に押し付けました。
自分の国を自分で守れない日本を納得させるには、アメリカが日本を守ってやらなければなりません。これが日米安保条約です。即ち憲法9条による日本の非武装と安保条約は、セットなのです。
戦後アメリカは何度も戦争をしています(朝鮮戦争、ベトナム戦争、湾岸戦争、イラク戦争など)が、そのたびに日本が補助的に戦争に参加することを要求しました。一方の日本は、戦争に参加するのが嫌なので、そのたびに憲法9条を盾にして断ってきました。