軍事同盟か、傭兵契約か

自民党の憲法改正に対する態度は、不真面目です。自民党の大方針の一つが憲法改正のはずですが、結党以来64年も経っているのに未だにそれを実現していません。それは、裏では9条をアメリカとの交渉カードとして使っているからです。

そもそも占領されて主権のない国が力で脅されて作った憲法が有効だというのは、悪い冗談です。1952年に日本が独立をした時に日本国憲法の無効を宣言するのが、法的には正しい態度です。しかしそれではアメリカに対して9条カードを使えなくなるので、憲法は成立しているというウソを守ってきたのが自民党なのです。

一方のアメリカの方も、日本が本格的に軍備を持ったら恐ろしいので、日本が本格的な軍備を持つのに反対していました。そこで安保条約がいかに変な条約であろうとも、否定するわけにはいきませんでした。日本とアメリカの本音が一致していたのです。

ところが今度のトランプ大統領は、この条約に不満を表明し、内心では廃棄をも考えています。それは、アメリカの国内事情が変化したからです。戦後、アメリカは戦争の原因は日本にあると主張し続けてきました。ところが戦争当時の資料が公表されるにつれて、アメリカのルーズベルト大統領が共産主義者に操られていたためだったということが、明らかになり、その見解がアメリカで普及してきたからです。

また、アメリカの国力が低下する一方、支那が台頭してきたので、今の状況ではアメリカが日本を守るために、アメリカ軍単独で支那とガチンコの戦いをしなければならない状況に追い込まれるからです。そこでトランプ大統領としては、日本との関係をはっきりさせなくてはならなくなりました。

またトランプ大統領は、Freedomを行動原理にしています。そしてアメリカ国民を守るというFreedomという視点で考えると、日本と仲間同士の関係(一方が攻撃されたら、もう一方は助太刀に来るという本格的な軍事同盟)を作るのが望ましいのです。その場合は、日本は憲法9条の障害をクリアーしなければなりません。

このようなわけで、日本は、Freedomの考えに基づいた本格的な軍事同盟か、高い金を払う傭兵契約か、の選択をしなければならなくなりました。

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