日本には、お金じゃぶじゃぶ政策しか残されていなかった

日本には、お金じゃぶじゃぶ政策しか残されていなかった

減税やばらまきなどによって国民の可処分所得を増やす財政政策は、為替が変動相場制になると効果が少なくなります。1998年からの大規模な公共投資の効果がもう一つだったのは、このような理由です。金融政策の内、政策金利(公定歩合)を引き下げる方法は、すでに金利がゼロ近くになっていたために、できなくなっていました。

プラザ合意で、為替を本当の変動相場制にすることにした

プラザ合意で、為替を本当の変動相場制にすることにした

冷戦当時、アメリカは日本や西ドイツを自由主義陣営にひきつけておくために、日本や西ドイツが為替操作をして自国通貨安にしているのを大目に見ていました。しかしソ連の力が弱まってきたので、アメリカは日本や西ドイツを以前ほど甘やかす必要がなくなりました。そこでプラザ合意で、為替操作を止めて経済の実力でレートを決めることにしたわけです。その結果、プラザ合意の2年後に1ドルが120円という本来の交換レートになりました。

まず人の心理が変わり、後に経済が動く

まず人の心理が変わり、後に経済が動く

安部晋三は衆議院選挙の前からアベノミクスを公約に掲げており、マスコは衆議院選挙で自民党が大勝し政権交代が起こると予想していました。従って野田総理が2012年11月に衆議院を解散した途端に、多くの日本人は自民党が政権をとりアベノミクスが実施されることを予想しました。そこで多くの投資のプロや経営者たちは、インフレになると考え、それを前提にして行動を開始しました。そのために阿部総裁が首相になる前に相場が動いたのです。

穏やかなインフレになれば、経済は自然に良くなっていく

穏やかなインフレになれば、経済は自然に良くなっていく

インフレになれば経済が活性化して売り上げが増え、時間が経つほど物価が上昇します。そこで「これからインフレになる」経営者たちが予想すれば、設備や資材などを早めに購入して生産能力の増強に努めます。株価も騰がるので、今のうちに株を買っておこうとします。つまり実態経済が何も変わっていないのに、インフレになったかのように行動し始めるのです。

政府が決意すれば、経済は良くなる

政府が決意すれば、経済は良くなる

「市中に出回っているお金を政府と日銀がどんどん増やせば、経済は良くなる」という理論が日本人になかなか理解されなかったので、この金融緩和策がなかなか実施されず日本は20年以上もデフレを脱却できなかったのです。

アベノミクスの効果はあった

アベノミクスの効果はあった

2013年初から始まったアベノミクスの効果で景気が回復し始めましたが、2014年に実施された消費増税により頓挫しました。当初の計画では開始から2年後にはインフレ率は2%になるはずでしたが、実現されていません。ただし失業率は徐々に改善されています。

国の借金1000兆円はウソ

国の借金1000兆円はウソ

「政府の借金1000兆円」というのは大嘘で、政府の借金は87兆円でGDPの20%未満にすぎません。アメリカやイギリスの政府債務残高の対GDP比は約70%なので、日本は財政的に非常に優秀なのです。