政府は、日本企業を守ることが自由に反する、と誤解している

多くの日本企業は、先端技術を海外に売って一儲けしようなどと考えている「もの言う株主」に対抗しなければならなくなっています。企業の経営者は、「企業はみんなのもの」という意識でいるのに、「もの言う株主」は、「企業は100%株主の所有物である」と考えています。そうして、会社法は「企業は100%株主の所有物である」と規定していて、基本的に「もの言う株主」の味方なのです。

日本政府もこのような事態に危機意識をもっており、2019年に外為法を改正しました。外国人が先端技術を持っている企業の株式を取得する際に、その持ち株比率が1%以上の場合には、事前届出をしなければならなくなりました。ところがその後に「審査をする」ということになっていて、その審査が不透明であり及び腰なのです。

東芝の例では、エフィッシモが東芝の取締役に自分たちが推薦する者を据えようとしたことを、「東芝のコンプライアンス」を良くしようとしたためだ、と説明しています。「もの言う株主」が関心を持つのは企業からいくら利益を得られるかであって、企業のコンプライアンスなどには関心のあるはずがありません。このようなあいまいな回答に対して経産省は毅然とした態度をとっていないのです。さらには、弁護士の報告書に「不正な圧力があった」と書かれたので、ビビっています。

日本側の腰が引けているのは、自由を「勝手気ままに振舞うこと」だと誤解しているため、株主の権利を制限することは違法だという認識が根底にあるからです。

日本に比べると、アメリカははるかに強力な規制を行っています。先端技術が流出すれば国家の安全保障に懸念が出る場合は、大統領が自分の判断で案件を拒否することが出来ます。アメリカは、「企業は100%株主の所有物である」と考えている国です。その国が株主の所有権を強力に制限しています。その理由は、株主の権利を守ること以上に仲間である国民の安全を確保することの方が大事だ、と考えているからです。

これがFreedomの考え方です。Freedomは、「仲間である国民を助けるためであれば、ルールを無視しても構わない」という考え方です。仲間を助ける行為の中でも一番重要なのは、国民を敵の攻撃から守ることです。日本にもFreedomとよく似た誠の考え方があるので、これを活用して、日本の企業を強力に守るべきなのです。

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